「祖母には負けません!」
2月28日、さわやかな笑顔でそう宣言したのは、日本舞踊の名跡である“藤間紫”の継承式を執り行った藤間爽子。
'17年にNHK朝ドラ『ひよっこ』に出演した売り出し中の若手女優だが、その祖母は『紫派藤間流』を創始した初代・藤間紫。'09年に亡くなった祖母の名を継ぎつつ、女優業も継続するという。
「藤間家にとっては待ちに待った、晴れの日だったでしょうね」(スポーツ紙記者)
式後の会見で藤間は、初代紫さんの夫で『スーパー歌舞伎』を立ち上げた市川猿翁(三代目・市川猿之助)から「頑張ってね」と電話で激励されたことも明かした。
「猿翁さんは爽子さんの父、文彦さんの継父です。血のつながりこそありませんが、今では爽子さんの祖父という立場。猿翁さん、ずっと爽子さんには実の孫のように接してきたそうですから、喜びもひとしおだったんでしょうね」(前出・スポーツ紙記者)
だが、その一方で猿翁の実の息子・香川照之の名前は、ついぞ出なかった。
「つまり香川さんと爽子さんとは、言ってみれば叔父と姪にあたる関係です。芸能界の大先輩であり、自身も市川中車として伝統芸能との“二足のわらじ”をはいているわけですから、てっきり香川さんから何かお祝いのコメントくらいは出すものと思っていたんですが、一切なくて」(前出・スポーツ紙記者)
香川照之とのケンカ、その原因
香川と親戚筋にあたる歌舞伎研究家の喜熨斗勝氏はダンマリを決め込んだ彼の心中を、
「初代紫さんと彼とのそもそもの始まりが……複雑でしたから。“澤瀉屋”としては表立って口に出せない部分もあるのでね(苦笑)」
表立って口に出せない理由─それは初代紫さんが香川のもとから父・猿翁を“奪い去った”張本人だったから。
「猿翁さんは'65年に、女優の浜木綿子さんと結婚。ところが、すぐに初代紫さんとのW不倫に走ってしまって。それ以来、父子は絶縁状態だったんです」(梨園関係者)
2人の仲が修復したのは'04年、香川に息子・政明君が生まれてから。「息子を歌舞伎役者に」と考えた香川が父との再会に漕ぎつけたのだ。
「香川さんの願いどおり、'11年に香川自身と政明君の歌舞伎界入りが発表されて。猿翁さんと3世代同居も始めて“親子和解”を大々的に演出したんですが、1か月もしないうちに香川さんとケンカして、猿翁さんが家を出ることに」(前出・梨園関係者)
原因は初代紫さんの遺品。
「猿翁さんが大切にしていた紫さんのゆかりの品を、香川さんが捨てようとしたんです。香川さんとしては、家の中に紫さんの影がチラついているのが嫌だったんでしょうねぇ」(前出・梨園関係者)
三つ子の魂百まで─。