「キャスト含めてパワーアップしています」
BS時代劇『大富豪同心2』(5月28日スタート、NHKBSプレミアム・BS4K毎週金曜夜8時~)に主演する中村隼人。シーズン1は、江戸いちばんの豪商の御曹司・卯之吉が、ひょんなことから同心となり難事件を解決。2年ぶりの続編では卯之吉が、自分とうりふたつの幸千代をめぐる徳川将軍の後継者争いに巻き込まれていく。
シーズン2では二役を演じ、前作にはなかった殺陣を披露している。
「歌舞伎で二役は珍しくないですが、映像ではアプローチの仕方がまったく違いました。(市川)猿之助さんから舞台での二役は“性別が変わらないと面白くないよ”と教えられていて、女形で引っ込んで花道から立役(男性)が出てくる。またその逆もと、性別や見た目すべてが変わっているのでお客様も反応しやすい。
今回は卯之吉が幸千代の替え玉になったりしますが、基本は同心の着物と髪型になっていることが多く見た目で差をつけるにも限界がある。そのため芝居の仕方を工夫しました。卯之吉は独特の間をあけて話すけど、幸千代は自信満々に間髪をいれずにしゃべる。相手からの受け答えのスピードや衣装の着方にもこだわっています」
放送を見た反応が気になります(笑)
共演者には新川優愛、石井正則、渡辺いっけいら前作のメンバーに加えて、松本幸四郎、尾上松也のほか萬田久子、羽場裕一らが加入し、脇を固めている。
なかでも歌舞伎俳優の大先輩との共演に感慨もひとしお。
「幸四郎のお兄さんは、憧れの先輩でむちゃくちゃ大好きな方です。その方に、自分の主演作品に出演してもらえてうれしいです。22歳のときにラスベガスでの公演に誘っていただき、その際に立ち回りを一から教えていただきました」
幸四郎が演じるのは幸千代に仕える老中役。
「幸千代が“無礼者”と老中を叱り“申し訳ございませぬ”と平身低頭するシーンのカットがかかった瞬間、“隼人、わかっているのか”と刀に手をかけられたりしました(笑)。でも、あえてイジリをしてくださることで僕も力が抜けて、現場もいい雰囲気になり助けられました。
歌舞伎でご一緒するときは気軽に話せる感じではありません。映像では違うスタンスをされていて、周りの方に“見てください”とPRして作品を盛り立ててくれる。(芝居や殺陣について)撮影現場では何もおっしゃらないので放送を見た後に何と言われるのか気になります(笑)」