「マモちゃんと共演できてうれしいなというのが、いちばんの思いです!よろしくね、マモちゃん!」
いたずらっ子のようにニコッと微笑む福士蒼汰。負けじと宮野真守も高らかに宣言。
「念願の福士くんとの初共演です!」
3月17日から始まる劇団☆新感線の舞台「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」製作発表でのひとコマだ。2020年に公演予定だったが、新型コロナ感染拡大により延期。2年の時を経て、念願の上演だ。
福士は町医者の秋津永流役、宮野は“口出し屋”草臥役。幕末、駿河国の清水湊を舞台に、永流と草臥がバディとしてヤクザな猛者たちを相手に奮闘する。実際の2人も、バディ感マックスだ。
出会いは'17年〜'18年の劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人』Season月。このときは共演ではなく、同じ役をそれぞれ演じた。
宮野「最初に会ったのは撮影のときかな。“ドラマ見てます”って言ったのを覚えてる」
福士「僕は、当時の記憶がなくて……」
宮野「“髑髏城”はずっと一緒にいたのに、同じステージに立てないという不思議な関係性だったよね。その後、残念ながら'20年にこの作品が延期になって。でも僕らは演劇を止めないという気持ちで、いのうえ(ひでのり)さん(劇団☆新感線の演出)と一緒に少人数舞台をつくって。そのときも別の作品だったから同じステージには立っていないけど。
延期からの2年でパワーアップして、ついに2人がステージ上で共演する。僕としてはいちばんのおすすめポイントにしたいし、していかなきゃなと思ってます」
年齢差は……感じないです!
撮影でも取材でも、楽しそうに笑い合い、本当に仲よしな2人。お互いの好きなところは?
宮野「蒼ちゃんは、テレビなどではおとなしくてシュッとしてますけど、そんなことないですから(笑)。今回はバディなので2人でいることが多いんですけど、こんないたずらっ子はいないというくらい、ずっと棒で僕のことをつついてきます(笑)。そして1人でケラケラ笑ってる。そんなおちゃめなところがあるんですよね。本当にまっすぐでピュア」
福士「好きなところは全部と言いたいんですけど。特に包容力があって優しいところです。何をやっても許してくれる。僕のいたずらを受け止めてくれる人があまりいないので。しょうもないこととか、ツッコむ価値のないものが多いから(笑)」
宮野「えっ、自覚あったの!?(笑)」
お互いを“蒼ちゃん” “マモちゃん”と呼び合うところもキュンとくる。10歳違いだが、年齢差は感じないのだろうか?
福士「ちょっと待ってくださいね(と宮野をじっと見つめて)……感じないです!」
宮野「感じろよ!(笑)」
福士「上が言うならまだしも、年下からという(笑)。こういうのも、ちゃんとツッコんでくれるんです。だからうれしくなってしまって(笑)」
“殺陣が見事なアクションスター”(by宮野)の福士と、“声優界きってのプリンス”(by福士)の宮野。似ているところ、あるいは違うと感じるのはどんなところなのだろう?
宮野「蒼ちゃんは整理整頓が上手で僕は下手とか、違うところはたくさんあるんですが、気兼ねなく相談できるんです。
お芝居のことに関しても“こういうふうに考えてるんだよね”とか。共感できて、共鳴できる。普通に話せるんですよね」
福士「確かに。あまりないことかもしれないです。役者同士だとちょっと恥ずかしくて、隠してしまったりするんです。
でも、マモちゃんとは自然にそれができる。というのも、違いがあるからだと僕は思っていて。マモちゃんは声優界、僕は映像から入ってきたので。畑が違って、全然違う作物を作っているからこそ、“それいいね”と言い合えたり交換したりできる。どちらがいい米を作るということではないから、そういう話ができるのかなと思っています。
僕は、もともとはあまり人と関わらないほうというか。あまり自分を出さないタイプで。だから、こんなに自分から話したいと思うのは珍しいんです」
宮野「僕も、けっこうしゃべるタイプに見られるけど、それ、人見知りだからなんですよ。場が沈むのが怖いというか。自分から行くのは意外と苦手だから、来てもらえるのがうれしいし、すごく楽しい」