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日経新聞に掲載されたコミックの全面広告『月曜日のたわわ』については、SNSを中心に多くの批判的意見が出され、またその批判に対する反論という形でも多くの投稿がなされています。
『月曜日のたわわ』について繰り広げられる論争
直接的な裸体表現はないものの、未成年を含む女性に対して間接的に性的な視線を向けるという作品のコンセプトをめぐってのもので、ここ数年のSNSの論争で繰り返されてきたテーマのひとつと言っていいかもしれません。
フィクション表現に対して、プロの批評家だけではなく、アマチュアを含めた多くの人が自分の意見を述べられるようになったことは、社会にとって良いことだと思います。
フィクション表現は多くの場合、書き手と読者の欲望を含んでいます。その欲望に対して、「その欲望は自分のものではない」「その欲望は自分を傷つける」と表明することがある意味では他者からの批評、批判になります。
しかしそれは、もともとの表現に対して事前に基準を設け、人々の目に見えなくさせる規制や禁止とはまた違います。
もちろん現在も社会にはゾーニングが存在し、新聞広告に対しても基準があります。
しかし今回の日経新聞に掲載された『月曜日のたわわ』に関してはその基準をクリアした上で掲載されています。批判の中にはあくまで純然たる批判であり、掲載の停止は求めないという意見もあるでしょう。
しかし一部は、「さらなる厳しい『価値観のアップデートされた』基準を設け、こうした作品の広告は今後掲載しないようにしよう」という意見もあるように思えます。
しかしそうした、「新しい厳格な基準」には、未成年の性について描いた多くの作品が該当してしまうかもしれません。