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ー 一気に“方向転換”のワケ
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ー 「ミルク味」復活を望む声も ー オススメの食べ方は「冷蔵庫から出して○分」

 

 気温も高くなり、そろそろヒンヤリと冷たいアイスが恋しくなる時期。数多くの商品が並ぶ中、ロングセラーでありながら次々と新しいファンを獲得しているアイスがある。今年で発売から37年目を迎える「アイスの実」だ。

 子どもの頃はボックスだったような、ひとつの箱にいろいろな味の粒が入っていたような。フルーツだけでなくミルク味なんてのもあったようなーー。いつの間にか進化を遂げていたアイスの実。気になる質問を、発売元である江崎グリコのブランド担当者にぶつけてみた。

一気に“方向転換”のワケ

「アイスの実が誕生したのは、1986年。その時代は、ひと口タイプのスナック菓子やチョコレートなどが流行していて、アイスでもひと口で食べられるものがあったら楽しいのではないかというところから考案されたんです」
 
 そう話すのは、江崎グリコ アイスクリームマーケティング部の神頭渉さん。37年もの間、残り続けるロングセラーだが、発売当初は『アイスの実』という名前ではなかったという。

「最初は『キャンデーボール』という名前だったんです。発売から3年間はその名前で、1989年から『アイスの実』というブランド名になりました。容量は一粒7mlで、子どもの口でもスッと入り、なおかつ喉に詰まる心配のない大きさ。その大きさは発売以来、変わっていません」

 現在は袋のパウチ状で売っている『アイスの実』だが、30代以降の人の中には、箱に入った『アイスの実』が懐かしいと思う人もいるだろう。

「箱からパウチ状に変わったのは2009年。それまではずっと箱型で、最初は横型の箱でした。それが2001年くらいから縦型の箱に変わり、2009年に箱をやめてパウチ状での販売になりました」

 形状が変わったのには、こんな理由が。

「アイスの実の1粒形状を活かし、手軽にポイポイ食べてもらうために、開けてすぐ食べられるよう縦型の箱からパウチに変更しました。さらにパウチは直接アイスの実を口に入れられるので、手を汚さずに食べられるという利点があります。

 ちなみにパウチ状の開け方は2つあるんですよ。1つは一粒ずつ出すことができるプチオープン。もう1つがワイドオープンと言って、袋の開け口を大きく開けることができ、1度にたくさん取り出せる。こちらはみんなで食べるとき、容器に出して食べるときにオススメです」

 時代とともにパッケージを変えてきた『アイスの実』だが、もう1点、大きく変わったことが。それは味の種類。今は「ぶどう」「もも」など、単体の味で売られているが、発売当初はひとつの商品にさまざまな味がミックスされて売られていた。

「昔は4種類の味が入っているものがメインの商品でした。パウチになってからも4年ほどは、ミックスされたものが売っていたんです。そこから2013年に一新し、“一袋に一つの味”というものに切り替えました」

 それには消費者のこんな声が影響している。

「いろいろな味が入っていると、味を選べる楽しさがある一方で、4種類の味の中で1種類くらいはあまり好きじゃない味があるというお客様もいることがわかったんです。それだと好きではない味が残ってしまい、『アイスの実』を買わないという人も出てきてしまう。それなら自分の好きな味だけを思いっきり楽しんでもらいたいと、一袋に一つの味というように方向転換していきました」