目次
Page 1
ー 森岡監督と過ごした20代
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ー 高校卒業の翌日に東京に行こうとすると
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ー バイトは38歳まで、司会業も

 還暦を過ぎての堂々の映画初主演、おめでとうございます!

「すっごくうれしそうにおっしゃいますねぇ(笑)。ありがとうございます。オファーを受けて“ええええ!”と驚き、喜んでいたのは妻のほうです(笑)。原作の奥田英朗さんのファンなんですよ」

 あれ? 喜び大爆発なのかと思いきやクールな言葉で返す高橋克実

「これが、映画の主演に熱い思いを持っている20代の若い俳優さんなら喜びも大爆発でしょうが、さすがに僕は還暦過ぎですからね」

森岡監督と過ごした20代

 仮に20代で主演の話が来ていたら、今ごろは俳優をやれていないはずだと笑う。

「キャリアを築いてうんぬんかんぬん……ではないんです。偶然の積み重ねです。ただ、流れに導かれてここにたどり着いただけというか。

 今作『向田理髪店』の森岡利行監督は、20代のときに同じ劇団で一緒に芝居をしていた仲間だったんです。約30年ぶりに仕事をしたんですが、僕を主演にするなんて、よくそんな無謀なことを思いついたもんですよね(笑)

 高橋と森岡監督は、かつて同じ劇団の役者だった。

「年齢は1歳違うんですが、誕生日が一緒(4月1日)なんです。映画も共通して好きなものが多くて。本当にしょっちゅう一緒にいましたね」