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「ドラマ『宮本武蔵』('14年)で主演の木村拓哉さんとご一緒させていただいたとき、私は入社2年目のアシスタントプロデューサーでした。東映京都撮影所を中心に撮影をしたのですが、撮影所の全員が“こんなに真摯(しんし)に作品に取り組まれる方なのか”と木村さんに心をつかまれたんです」
「織田信長の劇的な人生をまっとうしてほしい」
そう語るのは東映創立70周年を記念して製作された木村拓哉主演の映画『レジェンド&バタフライ』のプロデューサー・井元隆佑さん。総製作費20億円の感動超大作が生まれたきっかけを聞くと、
「『宮本武蔵』の撮影を終えた後、木村さんが“次は信長で帰ってきたい”とおっしゃったんです。木村さんからのメッセージを受け取ったひとりとして、スタッフを代表し、“木村さんに織田信長の劇的な人生をまっとうしてほしい!”と企画書を書いたのが、この映画のはじまりです」
実は、木村にとって日本のエンターテインメント発祥の地である東映京都撮影所での撮影は『宮本武蔵』が初めてだった。数々の名優たちと仕事をしてきた京都の職人たちも木村との再会を待ち望んでいたという。
「撮影所のみなさんは、高倉健さんのような銀幕のスターと呼ばれるレジェンドたちと木村さんを重ねる部分があったと思います。“木村さんに対して、持てるすべてを出しきりたい”というスタッフのアツい空気を感じましたね」