目次
Page 1
ー 3300人から約200億円を詐取
Page 2
ー 別荘地は東京へリポートから30分以内で行ける場所
Page 3
ー ニューズウィークで語った“無人島計画”
Page 4
ー ネットで特定される森野容疑者の元妻

 

「成金趣味という言葉がピッタリ当てはまる社長だ。騙し取ったとみられる計約200億円の出資金はカジノなどで散財。高級車やクルーズ船を買い漁り、果ては無人島まで購入していた。『ネバーランド』と名付けてリゾート開発するつもりだったらしい。金持ちを島に招待し、さらなる巨額マネーを集める魂胆があったのではないか」

 と全国紙社会部記者はその目論見を喝破する。

 東京・新宿区に本店を置く投資コンサルティング会社『FRich Quest(フリッチクエスト)』社長の森野広太容疑者(38)のことだ。架空の投資話で集めた出資金を騙し取ったとして警視庁生活経済課は8日、同容疑者を筆頭に同社幹部ら男女計8人を詐欺の疑いで逮捕した。

3300人から約200億円を詐取

 逮捕案件を含めおよそ3300人が被害に遭ったとみられ、詐取した総額は約200億円におよぶ見込み。実際に投資に充てていたのは3億円程度にとどまるというから、差し引き約197億円はどこに消えたのか。

「2年前に国内の無人島を約8000万円で購入し、島を往来するクルーズ船を約4000万円で買っている。毎月開催し、出資者を招いてきた豪華な『おもてなし会』にはお笑い芸人や著名人を呼び、有名飲食店に出張調理させるなど羽振りのよさを演出した。女子プロレスの興行を主催したこともある。都心に構えた事務所はサウナ付きだった」(前出の記者)

 どれほど豪勢な事務所なのか。本店所在地を訪ねてみると、新宿三丁目駅に近い雑居ビルのワンフロアだった。同社があるはずのフロアは看板が外され、エレベーターも停まらなくなっていた。

 同ビルの関係者はこう話す。

「もう1年以上前に退去していますよ。てっきり自己啓発セミナーをしている会社だと思っていたんですが、投資コンサル会社だったと知って驚いています」

 ビル入居者によると、大勢の人が頻繁に出入りするフロアだったという。

 同社のブログにスタッフが投稿していた内容から、その異質さはみてとれる。

《事務所は和、和、和です!はじめてご来社いただくお客様はエレベーターが開く瞬間、階数間違えちゃったかな?ってよく思われるみたいです。和テイスト=FRich Questなのでご認識ください。というのも代表の森野がとにかく日本、和が好き!彼のこだわりにより、事務所には井戸もあれば、滝もあるし、さらには道場もあります!とにかくとことん追求するタイプなので、いろいろできちゃいました》(18年7月10日)

 事務所の評判について《かなり良い》と胸を張るが、仕事に打ち込める環境とは思えない。装飾のセンスも独特だった。