目次
4月3日から放送を開始したNHKの朝ドラ『らんまん』。高知県出身の植物学者・牧野富太郎をモデルにして、幕末から昭和にかけての激動の時代を美しい草花とともに生きた青年・槙野万太郎の人生を描く。
意外にも朝ドラは初出演の広末涼子
今作で主人公の母親・ヒサ役を務めるのは、意外にも朝ドラは初出演という広末涼子だ。第一週、物語の舞台は、広末自身の地元でもある高知県。しかしなんと、7日放送の第5話でヒサは早くも病死してしまう。
放送開始直後から、ヒサの「私も、あの子(息子)のこの先を見守りとうございました」という、まるで命が長くないかのようなセリフがあり、SNS上では「ああ、やっぱりヒサさんの命は長くないのね……」「お母ちゃん心配」といった声があったので、早い他界を予想していた人も多いだろう。
ただ、朝ドラで主人公の母親が第一週に亡くなるのはとても珍しい。朝ドラにおける母親は、非常に重要な役だからだ。主人公は、子ども時代とそれ以降で世代によって演じる俳優が変わることが多い。今作でも、本役の神木隆之介は初回にちらりと出ただけで、第一週の主人公役は、子役である森優理斗(もり・ゆりと)がつとめている。
一方、母親役は、役の若いころも老いてからも、基本的にひとりの女優が務めあげるもの。前作『舞いあがれ!』では永作博美が、前々作『ちむどんどん』では仲間由紀恵が、物語全編に渡ってヒロインを見守る母親役を演じ切った。母親は、ある意味、視聴者にとっては主役以上に共感や感情移入できるキャラクター。夢に向かって邁進する主人公を見守り、支える母の目線は、視聴者のそれと重なるからかもしれない。朝ドラにとって母親はとても重要なのだ。