「この映画を見たら、きっと自分の家族やいろいろな人の顔が浮かぶと思います!」
そう語ったのは菅田将暉。5月5日、出演する映画『銀河鉄道の父』が公開。同日に行った舞台挨拶でのひとコマだった。
「『銀河鉄道の父』は、同名の直木賞受賞作を映画化したものです。宮沢賢治の生涯を父親視点で描いた家族物語で、菅田さんが宮沢賢治役、役所広司さんが父親役を演じました」(テレビ誌ライター)
ロケ地に選ばれたのは、宮沢賢治ゆかりの地、岩手県花巻市ではなく、岐阜県恵那市。
「8割ほどのシーンを、恵那市の岩村町や明智町で撮影しています。恵那市は国の『重要伝統的建造物群保存地区』に選定されていて、大正時代以前の建築物が残っているところも多い。“宮沢賢治が過ごした時代の街並みが再現できるのはここしかない”と、恵那市で撮影をしたんです」(同・テレビ誌ライター)
恵那市では映画公開に合わせて、セットの再現やパネル展を開催。近隣住民に評判を聞いてみると、
「今年のGWは、映画の反響でいつもより観光客が多かったんですよ。撮影に使われた飲食店には長蛇の列ができていたり、セットの前で写真を撮っている人がいたり。映画も見ましたが、昔から住んでいる街が映っているのは、なんだか不思議な感じでした」
撮影は昨年の5月から6月にかけて行われている。ロケ地での菅田の様子を聞いたところ、こんなエピソードが。
地元の“炊き出し”を断った菅田
「ロケの期間に1日だけ、地域の人たちと協力して、タレントさんやスタッフさんに地元の料理を振る舞う『炊き出し』をしたのですが、予定されていた日よりも早く行うことになったんです。というのも、菅田さんの役どころが“どんどんガリガリになっていく”という設定なので、減量が本格化する前に行いたいというスタッフの配慮。でも、食事制限のために結局、菅田さんは召し上がらず、それは少し残念でした(笑)。でも、撮影が進むにつれてどんどん痩せていって、菅田さんのプロ意識には感動しましたよ」(ロケ地のスタッフ)
“炊き出しNG”とは、失礼にも感じられるが……。
「いえいえ、菅田さんにはむしろ感謝しているくらいです! 4月20日に放送されたNHKの音楽番組『SONGS』で、今年2月に行ったライブツアーのタイトル『クワイエットジャーニー』の由来について、“『忙中閑あり』という格言からイメージした”と話していて。これは恵那市出身の儒学者・佐藤一斎の言葉で、菅田さんの控室のトイレに飾られていたポスターに書いてあったんです。“控室の何げない言葉を持ち帰って、それをイメージしたタイトルにしてくれたんだ”と、とてもうれしかったです」(同・ロケ地のスタッフ)
食事のかわりに地元の“格言”を持ち帰って活用するとは、なんとも粋な恩返し!