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ー 「無益な争いをしない」
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ー ツワモノゆえに多い“敵”

《すぐに発言撤回しちゃうんだ、なんかガッカリ》

 こんな声がSNSで広がったのは上川陽子外務大臣(71)。女性初の首相候補との呼び声も高い彼女が、足をすくわれたのは静岡市で行われた集会でのこと。

「5月18日、女性支持者たちに向けて静岡県知事選の自民党推薦候補者を『この方を私たちが“うまず”して何が女性でしょうか』と応援したんです。この発言が出産と結びつけられて炎上し、上川大臣はすぐに発言を撤回し謝罪しました」(全国紙政治部記者)

「無益な争いをしない」

 この謝罪に対して冒頭のような声がSNSにあがったというわけだ。だが、政治ジャーナリストのひとりは、この謝罪を「上川さんらしい」と評価する。

「もともとこの発言は出産に絡めた意味などなく、立憲民主党の議員や共同通信社がわざわざ『産まず』と表現したことが問題です。普通だったらそこで反論しますが、上川さんは無益な争いをせずに自分の職務を粛々と遂行するタイプ。麻生(太郎)さんに『おばさん』『そんなに美しい方とは言わない』など不愉快な言及をされたときも黙っていました。本当にどうでもいいことだから黙っていただけだと思います(笑)」

 鋼のメンタルを持つ、上川氏の華麗なる経歴をたどってみると─。

「1953年、静岡市で生まれた上川さんは2歳上に兄がいる長女で、父親は日本電信電話公社(現・NTT)職員で、母親も電話交換手の仕事をしていたといいます。カトリックの中高一貫の女子校・私立静岡雙葉中学校に進み、東京大学文科三類に入学。3年生の進学振り分けで教養学部教養学科に進学し、国際関係論を専攻したそうです。外相として諸外国と対等に議論ができると評される上川さんのルーツはこのあたりにあるのかもしれません」(前出・ジャーナリスト、以下同)