目次
Page 1
Page 2
Page 3
Page 4
「政治家を志したもので総理大臣を狙わない人はいない」
そう述べるのはジャーナリストの大谷昭宏氏。そのため現状は悪くとも、のどから手が出るほどに総理大臣になりたがっている政治家もいるのだ。しかし、そのポストに固執しても叶わないケースのほうが圧倒的に多い。
「自民党の場合、総裁選出馬に必要な推薦人を集めるだけで大変。女性の議員は非常に不利な立場にいるんです」(大谷氏、以下同)
今回、上川陽子外相が「うまずして何が女性か」発言で追い込まれたように、政治家としての手腕以上に人間関係がものをいう。その代表的な人物が野田聖子元総務相だ。「女性初の総理大臣」の座を熱望しつつも、その悲願は実現していない。
「成果は別として、こども家庭庁など省庁の創設に関わってきた。郵政民営化で造反し、離党。無所属になり、刺客を送り込まれても小選挙区で勝利したのは野田さんくらい。政治家としての手腕は確かですが、総理大臣になるタイミングを逸した」
「数と金の力」で動く自民党において“女性でかつ無派閥”というのは非常に不利な状況。次に離党・復党したことがあげられる。理由はどうあれ一度、党内を離れた人間は評価を得られない。
信用を得られない“評論家のような顔”
国民人気は高く、「次の総理」と注目されてきた石破茂元防衛相も、総理のイスは遠い。
「自民党内では絶対に石破さんに票が入りません。離党・復党経験だけではなく『党内野党』のようなポジションであれこれ持論を展開していますし、『評論家のような顔をしていること』も党内で人がついてこない要因です」
5月に小泉純一郎元首相らとの会食で『首相の心得を教えられた』などの報道があったが、「特に意味はない」と政治ジャーナリストらは口をそろえる。