「『イソップ物語』として知られるギリシャの物語集は今から約400年も前に日本語に翻訳されており、今回の訪問をきっかけに『北風と太陽』など、子ども時代に読んだ『イソップ物語』を久しぶりに読み返しました。古代のギリシャが今の日本にも息づいていることを感じます。
(略)私も貴国の多くの素晴らしさの一端に触れるとともに、ギリシャに暮らす方々とお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました。エフハリストーポリー」
佳子さまのギリシャ公式訪問
秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは5月25日から6月1日までギリシャを公式訪問した。今年は、日本とギリシャとの外交関係樹立125周年などにあたり、ギリシャ政府から招待されたものだ。2019年のオーストリアとハンガリー、昨年のペルーに続き、佳子さまにとって3回目の外国公式訪問となった。
報道によると佳子さまは5月26日、首都アテネの世界遺産アクロポリスの丘にある紀元前5世紀に建てられたパルテノン神殿を視察した。鮮やかなブルーの半袖ニットに白いパンツというギリシャ国旗を連想させる装いの佳子さまは、遺跡修復の状況などを、専門家の説明を受けながらじっくり見て回った。「きれいによく見えますね」と感想を述べながら、アテネの街並みや海の眺めなどを楽しんだ。
翌日、佳子さまはアテネの国立ギャラリー(美術館)で開かれた両国の外交関係樹立125周年および日本・ギリシャ文化観光年の記念式典に出席した。水色の振り袖姿の佳子さまは前述のように、日本人になじみ深いギリシャの寓話集『イソップ物語』を取り上げ、さらにギリシャ語を交えながら挨拶した。
1453年、ビザンツ帝国が滅亡した後、ギリシャはオスマン帝国(トルコ)の支配を受けた。1821年、独立を宣言し、ギリシャはオスマン帝国から独立するために戦い、1830年、独立を勝ち取った。報道などによると、サラミナ島にある、17世紀に建てられたファネロメニ修道院は、独立戦争当時、食料や弾薬などの提供を続け、ギリシャの独立に貢献したという。修道院内の壁画がススなどで汚れていたのを日本とギリシャの研究者たちが共同で修復した。
修道院に到着した佳子さまを民族衣装姿の女性たちがきれいなバラの花びらをまいて歓迎した。彼女は驚いたようなしぐさを見せ、笑顔でこれに応えていた。その後、建物の中を視察した。佳子さまは天井まで続く壁画を見上げ、終始、感動した様子だった。