7月4日から7月7日にかけて、イタリアのミラノで開催された『第19回世界剣道選手権大会』。男性10名と女性10名で構成された日本代表は、団体戦と個人戦で優勝を掴み取り、大会の“完全制覇”を果たした。
1970年から始まったこの大会は3年に1度、アジア・アメリカ・ヨーロッパの持ち回りで開催されている。完全制覇といったが、男女の団体・個人戦ともに優勝を逃したのは2006年の男子団体のみ。日本は圧倒的な強さを誇っている。
《気持ちわりぃ写真だな》
今回も無事に優勝したわけだが、実は開催前に剣道の日本代表を巡ってある騒動が勃発していたのだ。
「きっかけは、とあるXのユーザーによる投稿です。日本代表を組織する『全日本剣道連盟』が、日本選手団の結団式を開いたことをXで報告していて、そこには女子代表の面々と連盟の役員や監督らによる集合写真が添付されていました。その投稿を引用し、《なんで選手が後ろなん?》と、集合写真の撮り方に疑問を呈したのです」(スポーツ紙記者、以下同)
全日本剣道連盟による当該の投稿は6月28日のもの。確認すると、女子代表選手たちが後列に立ち、役員や監督らは前列で着席するという構図になっていた。
「引用したユーザーによる投稿は大きく拡散され、11万件以上のいいねがつき、ユーザーのタイムラインに表示された回数を示すインプレッション数は1000万回を超えています。確かに、主役である選手たちが前に座る、というのが一般的な感覚でしょう。そのため、全日本剣道連盟にはかなりの数の批判の声が寄せられていたようです」
実際、SNS上では、
《気持ちわりぃ写真だな。普通の感覚してたらこんなことにはならないんだよ》
《前列の人が写る意味ある??》
《どうして出場する選手達が前面に出てないのですか?お座りになっている老人達が選手権に出るのですか?》
《これ選手団?選手がサブみたいな写り方》
《「選手たちを選んでやってる立場」と見えるね》
などと、痛烈な批判の言葉が並んでいた。
「しかし一方で、“剣道の世界ではこれが当たり前”と反論する声もありました。指導者や監督といった上の立場の人々から前に座ることが礼儀であって、目くじらを立てるほどのことではないと。それに対しても、“だから若者が剣道から離れていく”“競技人口が減っていくばかり”とSNS上で議論が繰り広げられていました。
写真1枚で物議を醸してしまったわけですが、連盟のホームページを見ると男子代表との写真も掲載されており、こちらも選手たちは後列で立っています。なぜ女子代表の写真のみをXに投稿したのかという点も疑問ですね」
次の世界剣道選手権大会は、2027年に日本での開催が予定されている。今回の騒動を受け、何らかの変化は見られるのだろうか。