7月31日、宝塚歌劇団の村上浩爾理事長が会見を開き、劇団の改革などについての進捗を明かした。
「宝塚歌劇団は今年110周年を迎える歴史ある劇団ですが、その中身はベールに包まれ“秘密の花園”とされていました。しかし、2023年9月に起こったAさんの転落死を発端に、パワハラや過重労働などの異常な体質が次々と発覚。遺族側は、長時間労働と上級生からのパワハラが原因で、Aさんは自死に至ったと主張しました。村上氏は会見でこうした風土の改革について“一歩一歩やるしかない”と意気込みを語りました」(スポーツ紙記者、以下同)
現役の劇団員だったAさんの転落死から2か月後、劇団側は会見を開いたが、当時はパワハラ行為を否定。
「過重労働は認めたものの、パワハラやいじめはなかったと主張。それどころか“(パワハラの)証拠となるものをお見せいただけるよう提案したい”と開き直ったんです。翌月、今度はAさんサイドの代理人弁護士が会見を開き、パワハラの詳しい経緯を説明。証拠となる故人の生々しいLINEのやりとりや遺族側の意見書も公開されました」
遺族側の会見を受けて、今年3月、やっと劇団側は再び会見を開いた。
「14のパワハラ行為があったと認め、遺族側と合意書の締結に至ったと説明。ほかにも劇団の改革にあたって、公演や稽古スケジュールの見直しなど、具体的な施策について説明していました。
同日、遺族側の代理人弁護士も会見を開き、宙組の上級生らを含めて、少なくとも10人がパワハラに関わっていたと明かしました。10人のうち6人は、記者会見までに遺族への謝罪文を提出していたとのことです」(全国紙文化部記者、以下同)
記者会見までに、謝罪文が間に合わなかった宙組上級生もいたが、進展があった。
今のメンバーで前に進むことが大事
「7月31日に開かれた会見で、村上理事長は“在団生については全員送らせていただいた”と明かしました。一連の騒動の渦中にあった宙組の再編については、“今のメンバーできっちりと前に進めていくことがいちばん大事”と見解を示しました」
謝罪文は提出したものの、パワハラを行ったとされる上級生に対しては、処分がなかったことで、ネット上では、
《パワハラ加害者は手紙で謝罪しただけで、禊は済んだと思ってるのかな》
《加害者側は何事もなかったかのように生きていて、疑問》
《宝塚が変わることを内外に示すためにも、少なくとも加害者の処分は必須》
と不満の声が。劇団にパワハラ加害者の処分について、問い合わせたところ、
「本年3月28日の記者会見および同日付公表資料のとおり、本件は劇団の組織運営の怠慢等がもたらしたものであり、その責任を負うべきは劇団でありますので、出演者への処分は致しておりません」
と回答があった。
“清く、正しく、美しく”をモットーに改革を進めてもらいたい。