「“あの『スカイキャッスル』をやるんですね?”と、まず思いました」
ドロドロ&マウント劇の裏側は
原作は、韓国ドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』('18〜'19年/JTBC)。当初は1%台だった視聴率が、最終回には23.8%に!
「周りの人から面白いとよく聞き、見ていたので。韓国ドラマは私の中でもすごく熱いですし(笑)。あの世界観を日本のドラマでやるとどうなるのか。楽しみがすごくありました」
舞台は高級住宅街“スカイキャッスル”。浅見紗英(松下奈緒)は、誰もが羨む経歴&容姿に恵まれたセレブで、夫(田辺誠一)は帝都病院のエリート医師。
娘を超難関・帝都医大付属高校に合格させるためであれば“私、何するかわからないわよ”。清廉な女性を演じるイメージが強かった松下の紗英役は、意外であると同時に凄みがある。
「“この役を!?”と言ってもらえることがまずうれしいです。イメージにないと思ってもらえることも、逆に“やった!”って思います(笑)」
と、愉快そうに笑う。
「最初は“なぜ紗英はこんなにいつも強くいられるんだろう”と不思議でした。常に娘のことを考え、どんな手も使う。やっぱり、なかなかできることではないので」
しかし、演じる中でだんだん紗英がカッコよく思えてきたという。
「自分の幸せのためには手段を選ばず、自らの過去をうまく隠しながら、ありたい自分として生きている。その強さはやっぱりすごい。あれだけ言いたいことを真正面から言える自信と強さは羨ましいですね。もちろん、“言い方が”と思うところもありますが(笑)」
ドラマだから成立する魅力だと前置きしつつ、
「自分の理想のために、実際に行動を起こせるか。やっぱり迷ったり、できなかったりすることもあると思うんです。みんなが紗英のように自分の思いに正直にストレートにぶつけ合えたら、陰で悪口を言ったり、傷つけられたりすることも減るかもしれない。もちろん、私自身はもめ事や争いは避けたいですけど(笑)。ただ何のためにもめるのか。言いたいことをごまかさないぶつかり合いなら、ありだと思うんですよ。ぜひ、ドロドロだけではないものをみなさんにお届けできたら。ドラマとして見るには、最高に面白いと思います!」
女優デビューは東京音楽大学在学中の’04年。今年で20年を迎えている。
「あっという間でしたね。でも、やっぱり20年っていっても、まだ20年。もっともっと長くやられている先輩方はたくさんいらっしゃるので。長く続けることは、非常に難しいこと。つまり、長く愛してもらえることだとも思うので」
この節目を、新たなスタートと捉えているという。
「今までやってきたことをちゃんと守りつつ。これから自分のやることは大きくは変わらないと思いますが、やれることが増えていけばクオリティーはきっと上がる。デビューしたころと変わらずトライしていきたいです。そういう女優にというよりも、そういう人でいたいなと思います」
ドロドロ&マウント劇の現場は?
「役柄を含めて、どこか雲の上のような。すごくリアリティーがあるようでない、作り込まれた世界観。いろんなことが豪華に、贅沢に見えるシーンももちろんあって。“やっぱり、セットすごいな”と思ったり(笑)。お洋服や小物など、すごく豪華なものを身に着けさせていただいています」
共演には木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪ら。
「“用意はい!”でみんなのスイッチがバッと入る。その瞬間がすごく気持ちいいですね。私もそれで紗英になれる。普段はあのテンションや言葉遣いでは話さないですし(笑)。みんながそれぞれ、そんなふうに演じられているので、“用意はい!”で異世界に入っていくような感覚があります」
『スカイキャッスル』
毎週木曜夜9時〜(テレビ朝日系)放送中