
テレビの情報番組が連日こぞって取り上げ、元SMAPの中居正広さん(52)叩き、フジテレビ叩きと思われる情報発信に徹した時期が少し過ぎたとはいえ、今も放送業界を揺るがし続けている“中居問題”。
2025年2月19日23時59分に有料ファンサイト『中居ヅラ あの子たちに…、』が閉鎖し、中居の痕跡は芸能界から完全に姿を消した。
そんな中で飛び出した日本テレビトップの発言が、危機感の欠如を物語っていると、取材記者をざわつかせている。
「問題はフジテレビにあってうちには関係ない、という姿勢がありありの発言だと思いますよ」
とスポーツ紙記者は手厳しく指摘する。
民放連(日本民間放送連盟)の会長を務めていたフジテレビの取締役副会長の遠藤龍之介氏は、“中居問題”はフジテレビに限った問題ではないというスタンスを広めようとしていた節がある。
フジテレビが言ったら大炎上
スポーツ紙放送担当記者が深読みし、次のように話す。
「民放連会長として会見した際、結果的に民放全体の不信感を招いている、とCM収入に頼っているテレビ業界全体の問題という認識を示していたんです」
とは言え現実は、フジテレビからはCMが消えただけ。中居さんがレギュラーを持っていた他局のCMは、一切消えなかった。
「要するに人ごと、対岸の火事。フジテレビさん大変だねって、そんな矢先に、中居さんのしたことはひどいが、功績は残る、と日テレの福田博之社長が『長い間頑張っていてだきましたので感謝の気持ちというものはそのままストレートにお伝えしたい』と話したんです。
定例会見での発言ですので、あらかじめ質問を想定し、回答を準備している。要するに口が滑ったわけではないのです。その場にいた記者も思わず首をひねる発言だったそうです」(前出・スポーツ紙記者)
長い間、テレビ番組のMCとしてスキルを発揮したといえるが、それを公の会見の場で感謝の気持ちとして伝える必要があったのか。前出・スポーツ紙記者は、トップの発言としてはお粗末だとばっさり斬り捨てる。
「これまでのテレビ業界へ対する功績をたたえるなら、フジテレビだって同じでしょう。もしフジテレビ幹部が、日テレの社長のように『感謝の気持ちをストレートにお伝えしたい』と言ったら、どうなると思います?
大炎上でしょう。それを日テレの社長は言ってのけたんです。そのことが物語るのは、フジテレビの問題はフジテレビの問題であって、民放全体の問題ではない、という本音です」
フジテレビの“性献上”問題を受け、他局もそれぞれ自浄効果を示すかのように内部調査を実施したが、
「調査といっても、アンケートやヒヤリングですからね。局員の言い分をそのまま受け止めるだけ。問題があったなんて、自ら申告する真正直な人間はいませんよ」と民放スタッフは冷ややかに伝える。
所詮は人ごと。民放全体の問題ではなく、フジテレビ一社に限った問題。それが他局の、正直な受け止め方だ。