目次
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ー 昔の芸能界の理不尽、母との合言葉
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ー 自由に、そのまんま生きるだけ

「とてもありがたいことなんですが、どこに行っても最高齢でしょ?もう飽きました(笑)」

 とは、草笛光子。4月4日に主演映画『アンジーのBARで逢いましょう』が公開される。国内最高齢の映画主演女優の記録を『九十歳。何がめでたい』(2024年)以来、自ら更新した。

「“訳アリ”の役をやってみたかったんですよ」

 フラリと訪れた町。アンジー(草笛)はボロボロのいわくつきの物件の前で立ち止まる。ここをBARにしよう─。思いついたら即行動、不条理なことには毅然と対応、人間力で仲間を増やしていく。そんなアンジーを遠巻きに見ていた町の人々の心には次第に変化が……。

「珍しく肩に力が入らないで、自然に柔らかく演じることができました。“そのまんま”でやったからか、自分でもとても軽かったんです。生き生きとしていた? そう感じてもらえたなら、大成功!」

 と、笑顔を見せる。“生きるって簡単じゃないの”“過去にこだわると食い殺されちまうからね”“最初の一歩を踏み出したら動く動く動く。止まったらおしまい”……。劇中にはアンジーの哲学が詰まった、説得力のあるセリフが多数出てくる。

昔の芸能界の理不尽、母との合言葉

「脚本の天願大介さんが書いてくださったんです。“草笛さんらしい”とか“草笛さんそのままですね”とか言っていただくことが多かったんですが、“みなさんから私はこんなふうに見えているのかしら?”と不思議でしたね。だって全然違うもの。

 ただね、私も90歳を超えたら、“人にどう思われてもいい”“勝手にしやがれ”って思うことが多くなりましたから、そこが似ているのかしら? 自分のやりたいことをやりたいようにやっているでしょ。これから先の人生はアンジーみたいにわがままに自由に生きようって思っています

 1950年に松竹歌劇団に入団。映画デビューは1953年。舞台、映画、ドラマ……エンタメの第一線を走り続けて75年となる。作品の中での存在感は言わずもがな、お会いしてみると快活でユーモラス。そして、お肌はツヤツヤ。その輝きの秘訣をぜひ、知りたい!

「私は輝き続けようなんて思ったことはないんです。舞台をケガなくやるために、70歳を過ぎてからパーソナルトレーニングをしたり、自己流であみ出したマッサージなんかをしてきましたが、いちばん大事なのは中身ね。心をきれいにしていれば、着飾らなくてもいい。白いシャツ一枚でもカッコよく着られると思っていますから」