世界的ヒットアニメ『もののけ姫』の主題歌を歌い一世を風靡し、瞬く間に国民的歌手となった米良美一さん。
そんな米良さんを、突然の病魔が襲ったのが昨年12月。くも膜下出血で倒れて緊急入院し、一時は生死をさまようほどの危険な状態に陥った。しかし、その後は奇跡的な回復を遂げ、今月6日には273日ぶりにステージに復帰した。
復帰後、初のコンサートは作曲家の宮川彬良さんとの「ふたりの歌謡ショウ」。このリハーサルのために、米良さんは約9か月ぶりにスタジオに入った。
記者も現場に立ち会ったのだが、旧知の音楽仲間と再会を果たし、のびやかに歌を歌う米良さんは、喜びに満ちあふれているように見えた。
「まだ手探りの状態だし、体力的にきついところもありますが、光明は見えつつあります。何より、やっと歌う場所に戻って来られたということがうれしくて……。それに宮川先生は、僕にとっては大先輩であり、尊敬する方。そんな先生とのコンサートで復帰を果たすことができたのは、きっと意味があるんだと思っています」
9月以降は復活コンサートで各地を回る予定だが、ファンの前に立つ心境は喜びと緊張が入りまじった状態だという。
「もう、すごくドキドキしています。まさしく病み上がりですから(笑い)。でも、自分だけ突っ走るのではなく、みなさんと一緒に楽しめるステージを作りたいです」
そして、復帰後にぜひ挑戦したいことがあるという。それは「芝居」だ。
「今までも映画やドラマ出演のオファーはいただいていたんですが、こちらの勇気がなくて、踏み出せなかったんです。けれど、こうやって命を拾ったわけですから、これからは怖がらずにチャレンジしてみたいな、と」
どんな役を演じてみたいかうかがったところ、
「私の場合、人間離れした役しかできないだろうから、やっぱり、座敷わらし、とか?(笑い) 幸せを運ぶ役がいいですね。以前、マッドサイエンティストや悪い政治家、なんて役のオファーをいただいたことがあったんですけど、自分の本性を見透かされているようで、お断りしちゃったんですよね(苦笑)。でもこれからは、意外性を求めるなら、悪役とかより……、例えば脱いじゃうとか、いかが?」
そういってお茶目な表情を見せてくれた米良さん。この言葉に編集部サイドは色めき立ち、「ぜひ週刊女性でヌードグラビアを実現させましょう」と提案したところ「ホントに見てくださる~? 衝撃ですよ」と、まんざらでもない答えが。
そして最後に、読者のために、こんなメッセージをくれた。
「現在も私と同じように、病魔と闘っていらっしゃるとか、いろんなお立場で大変な思いをしていらっしゃる方は多いでしょう。でも、とにかく、いま生きていることにまず感謝して、そこからひとつずつ、新しい喜びを探していきましょうね。私もそうやって、頑張って生きていきますから」