■“残念な夫”を変えられる妻
「基本的に、夫婦は年々お互いの“残念!”を積み重ねていくもの。年齢的なものもあれば、リストラなど世の中の事情に左右される部分もある。特に男性更年期に入る50代前後は、加速度的に残念度が増していきます。しかもそのときは妻自身も更年期に入っているため、今までは許せていたことも許せなくなり、毎日お互いに残念探し状態です」
そんなキツイ状況でも、柔軟に変化する夫婦が残念から脱却していくという。
「妻は、夫に対して“家事をしないことで、どう困っているのか”を理論的に説明することです。感情的になるのはNG。ニュースにからめて話すのもいいですね。“アベノミクスで女性の活躍とか言っているけど……”という導入から入ると男性の反応は変わるはず」
いかに自然な話の流れでやる気にさせるかがコツ。
「結局、女が弱いほうが男は気分がいい。だから、例えば“掃除をしてよ!”を“掃除は健康にもいいんだよ”と伝える。さらに“あなたと一緒に生きていきたいから”というメッセージを込めた言い方は100点です!“女のほうが寿命が長い。だからいつか私はひとりになると思うと不安なんだ。一緒に長生きしたいなって思うから健康には気をつけてほしいって思っている”と伝えてみて」
■夫が家事をやり始めたら絶対に守るべきこと
“うちの夫には無理だわ”とあきらめないこと。うまく男心をくすぐる言い方を重ねていくと、冒頭のように、何歳になっても変われる男ができあがる。
「“夫源病”なんて病気もありますが、老後に何もしない夫に仕上がったのは、誰のせいでもない妻のせいだと思ってください。誰も助けてくれないのは、嫌ですよね? じゃあ、今からでも夫を調教すべきです!」
何もできない夫は妻が作り上げた……耳が痛くなるような言葉だが、わが身を省みて納得せざるをえない女性も多いことだろう。
「ただ、ひとつだけ注意点があります。男性が家事をちょっとでもやり始めたら絶対に文句を言わないこと。“食器の洗い方が〜”など細かく注意しない。少しずつでもやっていけば男性も自己流を見つけるはず。自分で発見してやり続け、成長しようとするチャンスを、女性はムダにしてはダメ」
1度、相手がやる気を出したら、あとは見守るだけで気長に待つだけ!
【この人に聞きました】
山崎ますみさん/健康ジャーナリスト、コラムニスト、イラストレーター。2児の母で、家事のできない夫を完璧なカジメンに育てた経験あり。