・力士の卵たちが通う学校がある
力士になるには、毎場所前に行われる新弟子検査に合格しなければならない。この検査をパスして晴れて力士として認められるが、当然すぐに本番の試合をするわけではなく、『相撲教習所』という学校に通う。
ここは、その名のとおり力士の卵たちが勉強するところで、6か月間の教育を受ける。場所は両国国技館内にあり、相撲の基本動作や実技の習得、体力・気力を養成するのを目的としている。実技は親方と幕下力士が担当。
教養講座は、相撲の歴史、運動医学、スポーツ生理学、一般社会、国語(書道)、詩吟などを毎日1課目、受講する。講師は大学の教授をはじめ各界の専門家が担当し、育成に力を注いでいる。
・1度部屋に入ったら別の部屋に移籍はできない
プロ野球やサッカーのJリーグをはじめ、一般的にプロスポーツにおいては移籍は頻繁に行われている。だが、大相撲では部屋の吸収・合併や親方の独立のような特殊な事情以外による個人の都合では移籍が不可能。
ちなみに34回という歴代最多優勝の記録をもつ白鵬は、6人のモンゴル人と一緒に来日した当時、今よりもかなり細身だったため、受け入れてくれる部屋がなかった。困り果てていたときに、今の『宮城野部屋』が受け入れてくれることに決まって歓喜したそう。
・横綱が1人もいなかった時期がある
力士の強さの序列を表したものが『番付』である。最高位が『横綱』であり、相撲の強さはもちろん、その名にふさわしい品格がなければ地位につくことはできない。
現在のように、3人の横綱が在籍していることもあれば、空位になることもある。’92 年の5月場所で当時の横綱北勝海が引退したことにより、次の7月場所は横綱がいなかった。
横綱の次は強い順に『大関』『関脇』『小結』と続き、東西ともに必ず1人ずつは配置される。その次に『前頭』が東西で最大18人ずつ、『十両』が14人ずつ、『幕下』が60人ずつと続く。
これらの序列の中でもさらに強さが細分化され、1枚目、2枚目……という順でランク付けされている。幕下の下には、『三段目』が東西で100人ずつ、さらに『序二段』、『序ノ口』がいる。序二段と序ノ口には人数の固定はないが、力士数は序二段がいちばん多い。