阪神タイガースの大山悠輔(おおやま・ゆうすけ)内野手(29)が11月13日に国内FA(フリーエージェント)権の行使を表明した。
「自分自身、毎日、自問自答しながらいるので……」
完全に“マスコミ不信”
11月21日には球団主催のゴルフコンペに参加。そこで大山は、悩める毎日を過ごしていることを明かした。
「阪神にとって、2018年から7年連続で2桁本塁打を記録している“主砲”の大山選手が抜ければ痛手でしょう。阪神は4年総額16億円を提示して引き留めようしていますが、巨人はそれ以上となる5年以上で総額20億円規模の大型契約を用意して獲得を狙っているようです。オフシーズンも“伝統の一戦”が繰り広げられています」(在阪スポーツライター)
大山は、2016年に白鴎(はくおう)大学からドラフト1位で阪神に入団。人気球団の“ドラ1で主砲”となれば、出場機会も確保され、引退後の待遇も困ることはなさそう。
それでもFAで移籍を模索するのには、在阪マスコミ事情があるようだ。
「阪神のドラフト1位となれば、関西のスポーツ新聞では、各紙が生い立ちから現在に至るまでを取材し、何日も連載が組まれます。母校や家族にも取材が殺到し、野球と関係ないことまで記事になることも珍しくありません。4番に定着してからは、試合で活躍を見せないと厳しく叩かれてしまうのも人気球団の“宿命”です。そういった経緯もあり、大山選手は完全に“マスコミ不信”なのです」(在阪テレビ局関係者、以下同)
そうした関西マスコミの“洗礼”を全身で浴びていた大山。報道陣を前に“逃亡劇”を繰り広げたこともあったという。
「試合後の取材は、選手が球場から引き揚げるところを追いかけながら話を聞く、いわゆる“ぶら下がり取材”が一般的です。歩きながら話をしてくれる選手や、立ち止まって対応してくれる選手もいる中、大山選手はよっぽど取材を受けたくないのか、記者たちの姿を見ると走って逃げることもしばしば(笑)。
あるときは球団の広報担当者が、さすがにまずいと思ったのか、慌てて大山選手を引き留め、しぶしぶひと言だけコメントさせたこともありました」
ただし、阪神の選手は、つねにマスコミに対して神経をとがらせないといけない環境だとも。
「阪神担当の記者、いわゆる番記者の数は12球団でトップなだけでなく、メジャーリーグの『ニューヨーク・ヤンキース』、サッカーの『レアル・マドリード』や『バルセロナ』といった世界の名門スポーツチームより、その人数が多いと言われています。練習中から移動中までの一挙手一投足をジックリと観察されて、何気なく発したコメントがスポーツ新聞の一面で大きく報道されてしまう。大山選手のFA宣言は、そういった環境に嫌気が差したという側面もあるかもしれません。ただ、移籍先候補に上がっている巨人も、かなりの人気球団ですからね……」(前出・在阪スポーツライター)
悩める“虎の主砲”が下す決断とは……。