「寒くも暑くもなく、とても気持ちよく走ることができました」
清々しい表情でそうおっしゃったのは、皇太子さま。
2月25日、東京駅近くの皇居外周をジョギングされたあとのご感想だった。
「皇太子殿下は普段から、お住まいがある赤坂御用地内でジョギングをしていますが、公道では7年ぶり、"皇居ラン"は8年ぶりとなりました」(宮内庁担当記者)
薄曇りだったが、春の気配が漂う気候の中、皇太子さまは、皇宮護衛官ら約10人と皇居外周の約5キロを反時計回りで完走。沿道の人々に笑顔で手を振る場面もあり、27分20秒でゴールされた。
「皇太子さまの久しぶりの"皇居ラン"は、自分も努力をしているのだというアピールだったのではないでしょうか」
そんな見方をするのは、皇室を長年取材するジャーナリストの渡辺みどりさん(文化学園大学客員教授)。
「次の天皇として国民のために、残念ながら美智子さまほどの公務ができない雅子さまのために、すべてご自分が背負い込むという決意の表れだと思います。しかも皇居でのランニングは流行しているので、それに参加することは"国民とともに歩む皇室"を実践されていることになり、国民も好感を持つと思います」(渡辺さん)
一方の雅子さまは、2月26日に来日した英王室のウィリアム王子と27日、お住まいの東宮御所でご接見。
「近い将来に、かならず再会を─」
と故・ダイアナ元妃と交わした"約束"を、その"忘れ形見"と果たされたのだ。
20年前の’95 年2月、雅子さまと約束をしたダイアナ元妃は、チャールズ皇太子(66)の不倫に悩んで、’96 年に離婚。翌’97 年に、パリでの交通事故で非業の死を遂げた。
「雅子さまは2月に入り、3日には『OECD東北スクール』の高校生と、9日にはタイ首相夫妻と、東宮御所で接見するなどご体調が上向いているようでした。
ただ、27日の両陛下が主催した午餐(昼食会)と東宮御所玄関前のウィリアム王子のお出迎えには姿を見せず、万全なご体調ではないなかでの、懇談だったかもしれません」(宮内庁関係者)
ある東宮職関係者が、通訳なしでの約40分のご懇談の内容を打ち明ける。
「接見で皇太子ご夫妻は、’11 年4月のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式に、前の月に起こった東日本大震災により欠席したことを詫び、あらためて祝福のメッセージを送られたそうです。エリザベス女王やウィリアム王子の普段の活動内容についてもお話がありました。さらには、現在第2子を妊娠中で英国に残っているキャサリン妃や、長男のジョージ王子を気遣うお言葉もあったと聞いています」
’97 年12月のお誕生日の記者会見では、ダイアナ元妃の死を悼み、ウィリアム王子と次男のヘンリー王子(30)を気遣われていた雅子さま。今回、ウィリアム王子との初対面で、万感胸に迫るものがあったのではないだろうか─。
前出の渡辺さんも、こう話す。
「雅子さまも、ウィリアム王子とお会いになり、ダイアナ元妃や英国留学時代について話が弾み、前向きな気持ちを持たれたと思います最近はこうした東宮御所での接見が増えているので、春からはお住まいから出て、地方へのお出ましなども期待できるかもしれません」
今年の夏は戦後70年の節目にあたるので、雅子さまにも相応の役割が回ってくるはず。天国のダイアナ元妃に捧げた"約束"を胸に、春の訪れとともに、大きな一歩を踏みだすことができるだろう─。