夏といえば怪談がつきもの。そこでYouTube『怪談ぁみ語』でも人気の怪談芸人ありがとう・ぁみに、自身が経験した怖い話を聞いた。
「宮崎勤事件で、被害者の女の子が発見された八王子の旧小峰トンネル。今では廃道になり、心霊スポットとしてかなり有名なんです。去年の春くらいに、男女5人でここへ行ってみようという話になりました。車は峠の麓あたりまでしか入れないので、トンネルへはそこから15分ぐらい歩かなければなりません」
ようやく着いたところ、トンネルの中は一応ライトが点いていて、うっすらと明るい感じだったという。
「その中を歩きながら、せっかく心霊スポットに来たんだからと、少しふざけて“1人増えてない?”とか“足音が多いよね”なんて言いながら、みんなで怖がりながら雰囲気を盛り上げるわけです。トンネル自体はそんなに長くないので、徒歩でもすぐに通り抜けられる」
やがて外に出ると、その先はどこに続いているのかわからないような不気味な林道になっていたそうだ。
「そのままトンネルを背にした状態で立っていると、後ろから、─ガサガサッという音がしたんです。“ん?”と思って振り返ろうとしたら、“振り向いちゃダメ!”と、1人の女の子が叫びました。でも、そう言われると振り向きたくなっちゃうじゃないですか。僕は我慢したのですが、別の女の子が振り向いたみたいで、“キャーッ!”と叫びながら、パニック状態で林道の先のほうに走り出したんです」
何が起きたかわからないまま、追いかけて彼女を全力で止めたというぁみさん。
「“やだやだ! 怖いー”叫び続ける彼女を、みんなで20分ぐらいかけて車まで引きずっていき、明るいコンビニの前で落ち着かせました。あらためて話を聞いたところ、ガサガサと音がしたので振り返ったら、自分たちが通ってきたトンネルの入り口側の上から覗き込むようにして、おじさんがジーッと僕たちを見つめていたんだそうです……。冷静に考えたら、そんなところに人間がいるはずがない。ふざけて言っていましたけど、本当に“1人増えていた”のかもしれません」
この話にはまだ続きが。
「打ち明け話はもう1つあって、トンネルに向かっているとき彼女は助手席に座っていたんですが、自分の両足の先に、何か指のようなものが乗っている感覚があったそうです。怖くて見られなかったと言っていましたが、“今となっては、あのトンネルのおじさんがいたんだろうなと思っている”と怯えていました。もしかして、おじさんはずっと俺らについて来ていたんじゃないかと」
実は、心霊スポットに行っても怖いので先頭は避けるとか。
「その日は僕が確かに前から3番目で歩いていたんです。帰ってからトンネルで撮った写真を確認してみたら、先頭を歩いている2人のさらに先に、いないはずの人の影のようなものが写っていました……(写真参考)。これは、自分史上でもかなり怖い体験でしたね。ちょっと本気で怖いので、霊感が強いことで知られている、やるせなすの中村豪さんにその写真を見てもらったんですよ。そうしたら、“うん、いるね。しかも、1人じゃなくて、いっぱい写っているよ”という、あまりうれしくないお墨つきをもらってしまいました」