2月7日、北方領土の日。そのわずか2日後の記者会見で「千島歯舞諸島居住者連盟」と読むところを、「ちしま、はぼ……えーなんだっけ?」と、某財務相ばりの漢字読解力がバレてしまったのは、島尻安伊子沖縄・北方担当大臣だ。
秘書官が、つぶれた料亭のおかみのように「はぼまい」とささやいたが後の祭り。担当大臣が「歯舞」を読めなければ、“腰かけ大臣”であることは一目瞭然。交渉相手のロシアだってナメてかかる。
「“女性が輝く社会を”などとうたっておきながら、実際は“女性をつけておけば誰でもいいでしょ”という安倍首相の思いが見え隠れしています。たった4つの島の読み方がわからないなんて本当にバカ。こんな資質のない人を担当大臣にしているのは、安倍首相が“北方領土と沖縄はどうでもいいじゃん”と思っていることの表れですよね」
ジャーナリストの大谷昭宏氏は、島尻大臣の愚かさ以上に、安倍首相の緊張感のない任命を問題視する。事実関係を読み誤ったのは、丸川珠代環境大臣だ。
東京電力福島第一原発事故の除染の長期目標として国が掲げる、年間追加被ばく線量1ミリシーベルト以下について、「何の科学的根拠もない」などと、それこそ何の根拠もなく放言してしまったのだ。
鳥越俊太郎氏は「無知としかいいようが……」と一瞬、絶句。
「1ミリシーベルトという基準は国際的な了解があって決められている。知識がないままに発言するとは……」
丸川大臣が古巣のテレビ朝日に在籍中、テレビ番組で共演したこともある大谷氏は、こう語る。
「大変ナーバスな問題に関して失言しておいて、“言ったか言わないかわからない”では無責任すぎる。前々任の石原伸晃氏(現経済再生相)がバカなこと(「最後は金目でしょ」発言)を言ってモメたのに、またこうして失言が目立つのは、いつも環境大臣を適任で決めていない証拠です」
2人は、テレビ出演して政権に厳しいことを発信する数少ない論客。放送局の免許権限を持つ高市早苗総務大臣の「電波停止」発言には、怒り心頭だ。
高市大臣は衆院予算委員会で野党議員の質問に対し「私が総務相のときに、電波を停止することはないが、将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と答弁した。
鳥越氏は、こう問題視する。
「あの発言は恫喝です。歴代の総務大臣が1度も言ったことのない、“メディアを政治の力で自由にできる”という趣旨の発言をしています。報道の自由のある国で、ありえませんし、擁護した安倍首相も理解できません」
さらに世界共通の報道の常識を次のように語る。
「メディアは、歴史的に政治をチェックする機能を持っています。国民が税金を出して委託している政治が、国民にとって不本意な方向に向かったら、政権を批判する役割を持っているんです」
大谷氏も、声の調子を上げ、高市大臣の誤認識を指摘する。
「高市大臣は、自分もテレビで思い切ったことを言わせてもらっている身でありながら、よくあんな発言ができるなと。彼女に発言を撤回させる力もないのに質問をした野党も、問題です。
“自分の代には停止しないが、将来はわからん”といった発言がなされた以上、議事録に残って、固定化されてしまいます。中途半端な質問は控えて、答えさせなければよかったのに……」