■ケンカ上等の元防衛相・小池百合子氏
野党統一候補として選挙戦をたたかうジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)は、出馬会見で都議会との関係について「ケンカするつもりはない。かといって特別仲よくなるつもりもない」と是々非々で臨む姿勢をみせた。
この都議会に猛然と噛みついたのが、自民党の前衆院議員で元防衛相・小池百合子氏(64)だ。同党都連を「ブラックボックス」呼ばわりし、都知事になったら冒頭都議会を解散するとしている。
JR池袋駅前の街頭演説では「組織やしがらみを超えてまい進します」と宣言。党都連は小池氏に売られたケンカを買い、推薦しない候補者を所属する国会議員や地方議員が応援したときは除名などの処分を科すとした文書を配布している。それでも小池氏はビビらなかった。
街頭演説で有権者に対し、「どのように税金が使われているか、無駄がないかをチェックする。東京五輪・パラリンピックの関連予算も明確にします」と約束した。
しかし、小池氏は議会との対決姿勢が鮮明すぎて、舛添氏への追及が甘くなりがち。
13日の記者会見では舛添問題についてこう述べている。
「4年で3人のうち2人がカネの問題で途中辞任したのは異常。個人の問題があったことは否定できないが、構造上の問題はないか。カネの問題で独立した委員会をつくる」
党都連が言うことを聞かない知事に“しっぺ返し”し、都政に混乱を招いているとの見方を示した。
ただし、舛添問題の処理として新たに第三者委員会を設置し、調査委員を公募することも検討するという。
■改革派の元岩手県知事・増田寛也氏
自民・公明などが推薦する元岩手県知事の増田寛也氏(64)は記者会見で、再発防止のために「知事サイドから日程などを情報公開していく。都民のみなさまが納得できるルールをつくる」と述べている。
1995年に岩手県知事に初当選。三重・北川正恭氏、宮城・浅野史郎氏らとともに地方分権を進める改革派知事として知られ、3期12年にわたって首長を務めた。
「議会は知事と対等という二元代表制でチェックしなければならない。そういう仕組みができていなかったように思います」(増田氏)
公開討論会で小池氏から「都議会の言いなりになるのか」と問い詰められ、「初めから緊張関係を醸し出すつもりはありません」と突っぱねた。
千代田区・隼町の選対事務所前で行った街頭演説でまず「都政の混乱に終止符を打たなければならない」と訴えた。
次で断ち切らないと、“都知事の祟り”になりそうな政治とカネ問題。
ジャーナリストの大谷昭宏氏は「臭いものにフタをしたままだ」と指摘する。
「舛添問題で都議会の総務委員会は2回目の質疑をせず、より強い権限を持つ百条委員会の設置も見送られた。舛添氏が議会答弁で約束した美術品の詳細や退職金支給などについて検証し、結論を出すべきです」(大谷氏)