冬のおやつの定番といえば、小豆を砂糖で甘く煮たおしるこやぜんざい。お店でオーダーするとき、両者の特徴や違いがわかっていない人も結構いるのでは? ややこしいことに、東西で呼び名も中身も変わってしまうというのだ。
「東京では、餠きびにこし餡をのせた『浅草梅園』の“あわぜんざい”が有名ですよね。関東では、こうしたお餠などに餡を添えたものをぜんざいと呼びます。でも、関西ではこれを亀山と呼ぶんです」
とは、和菓子について数多くの著作をもつフードライターの中島久枝さん。汁けのない「あわぜんざい」は関東名物。そして東の「田舎しるこ」は西ではぜんざい……。ああ、ややこしい!
詳しくは下表を見てほしい。おしることぜんざい、その認識は東西で微妙に違うということがわかる。
「関東では汁けのあるもの全般を“おしるこ”、つぶあんのものは“田舎しるこ”もしくは“小倉しるこ”、こしあんのものを“御前しるこ”、汁けのないものを“ぜんざい”としています。関西では、汁けありの粒あんを“ぜんざい”、汁けありのこしあんを“おしるこ”、汁けのないものを“亀山”としているんです」
なぜこうした違いが生まれたのか経緯はわかっていないが、江戸時代から違っていたとの説もあるとか。
「亀山は京都の地名の亀山に由来するといわれていますが、定かではありません」と中島さん。