箱根駅伝で10位以内に入った大学には、翌年の箱根駅伝に出場できる“シード権”が与えられる。シード権を得られなかった大学は、10月に開催される予選会へ。
予選会は駅伝ではなく、各校12人までが20kmを一斉に走る。ただ、タイムが集計されるのは上位10名。その合計タイムで、上位10校が本選へと駒を進められる。
参加校は50校。神奈川大、日大、大東大……かつての優勝校がズラリ。中でも注目は、優勝回数14回(最多)を誇る中大。大正時代から続く“87回連続出場”を途絶えさせるわけにはいかない─。
外国人留学生2人のゴール後、日本人トップでゴールしたのは神大の鈴木健吾選手(3年)。今年、1区を鉢巻姿で走った中大のエース・町澤大雅選手(4年)は8位だった。
結果発表のとき。「第1位、大東大!」。その後、次々と歓喜の声が上がる。まだ呼ばれない学校を包むのは、ヒリヒリするような緊迫感。箱根に出場できるのはあと1校。「第10位、日大!」。
中大の伝統が途切れた瞬間だった。歴史的敗退。顔面蒼白でうつむく者、屈辱に顔をゆがめる者、両手で顔をおおう者、むせび泣く者……いたたまれない。
中大は11位で、10位の日大とは44秒差。つまり、1人あと5秒稼げていたら結果は違っただろうが、勝負に“たられば”はない。
舟津彰馬主将(1年)は、
「本当に申し訳ありませんでした。外部から心ない声や、“本当に今年は大丈夫なのか”と多くの声をいただきました。でも、自分たちはやれると思いながらやってきました。それに対して、誰にも文句は言わせません。もし、先輩方を悪く言うような人がいたら、自分が許しません! すべて自分にぶつけてください!」
白地に赤の“C”。名門のユニフォームは'18年の箱根駅伝に戻ってこられるか─。