真心ブラザーズ・桜井が手がけた新曲への思い

 18歳でデビューしてから、1度も歩みを止めることなく歌い続けている理由を「周りのスタッフ、ライブのメンバーや、仲間たち。これまで出会うことができた人との、奇跡に近い、幸運な巡りあわせのおかげ。そして、謙虚な気持ちで(人に対しての)引き寄せ力は強いと思います(笑)」と、話す。

 その数々の奇跡の出会いに新たに加わったのが、新曲『ボクはここに』を作詞・作曲した真心ブラザーズの桜井秀俊。

「今回、初めて真心の桜井さんとご一緒させていただきました。曲をいただいたときに、初めて歌うタイプの曲だなと思ったんです。この32年で、本当にいろいろな種類の作品に出会ってきたんですが、それでもまだ、初めてと感じる曲があるんだなって思ったのと同時に、どこか懐かしい気持ちにもなったんですね」

 7月8日からスタートする2年ぶりの全国ツアーを前に、“夏に動き出すにあたって、夏の曲が歌いたい”という希望を持つなかで出会った。

7月5日に発売された『ボクはここに』通常盤 1111円+税 ※記事の中で画像をクリックするとamazonの紹介ページにジャンプします
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「何度も聴いていくうちに、“あの子じゃん!!”と思ったんです。

 自分で作った『夏が来た』という歌があるんですが『ボクはここに』と同じで、“夏まつり”が出てくる曲なんですね。『夏が来た』は、ちょうど(20年連続という前人未到の記録を達成した)西武スタジアムを何年かやらせていただいたときに、毎年の恒例ライブになっていたので、“また、スタジアムに帰ってきてね”という意味で、ストーリーを作ったんです。

 そこに登場した子の、その後が『ボクはここに』に描かれているように思えたから、どこか懐かしい感覚になったんだなと納得して」

 手がけた桜井にも、このことを話したのだそう。すると、

「“歌詞がかぶったかもしれないと思って、焦った”っておっしゃったので、本当に偶然だったみたいです(笑)。

 桜井さんが今回の曲に関して、“地元を離れた主人公が、ふるさとを思う歌はすごく多いけれど、実は、その場所に生き続けて、生活し続けている人のほうがもっとドラマがあったりするんですよね”ってお話しされて。

 確かに、私は旅をするのが好きですし、ツアーなどで旅をするのが仕事みたいなところがありますから、外に目を向けることが多いんですね。でも、一昨年のデビュー30周年で47都道府県ツアーをやったときに、かなりのライブやツアーをやってきたと思っていたけれど、それでも“初めて美里さんのコンサートを見ました。ずっと好きだったけど、地元に来てくれたから、やっと見れました”と言ってくださった方がすごく多かったんです。

 その方たちの思いをいい形で作品にできたらいいなと、ずっと思っていた。だから、あえて細かく伝えずとも桜井さんが“僕はここに”という目線で書いてくださったのが、なんでわかったんだろうと不思議で。やっぱりクリエイターってすごいですよね。この曲は、私が歌うべきだし、歌わせてほしいと思いました」