「例えば『ゆとりですがなにか』の“ゆとりモンスター”山岸はすごい反響で影響力もあったし、今回は人間味あふれる等身大の人物を演じさせていただいて勉強になったりと、演じられる役の幅って自分で決めるべきではないって思えるようになって。そういう意味でも、いろんな役に挑戦したいし、視野も広がってきて、演技を楽しめるようになってきました」
振り幅の広い演技力で、注目度急上昇中の若手俳優・太賀(24)。NHKドラマ初主演作『1942年のプレイボール』(8月12日放送 NHK総合 夜7時30分~)で演じるのは、伝説のプロ野球選手・野口二郎。大谷翔平に匹敵する二刀流で、休まず試合に出続ける姿は“鉄腕”と称賛された。
物語は戦争に翻弄(ほんろう)されながらも、職業野球を夢見て青春を燃やした二郎ら“野口4兄弟”の絆を描いていく。
「僕は野球経験がほとんどないので、撮影の2か月前から野球指導の先生のもとでトレーニングを開始して。最初は何もかもがヘタクソ(笑)。監督たちもお手上げだったと思うんですよ。もう必死に練習してフォームを身体に覚えさせて、アピールしたくはないですけど、本当に頑張りました(笑)」
ロケは名古屋を中心に行われ、クランクイン前には2泊3日の共同生活も行った。
「お兄さん役の勝地(涼)さんに、しこたまご飯に連れて行ってもらいました(笑)。撮影前には弟役の斎藤(嘉樹)くんと福山(康平)くんと4人でホテルで合宿をして兄弟の絆を深めたんですよ。夜に寝ながらここでは絶対に言えないような話もしたりして。何か修学旅行みたいでしたね。とてもエモーショナルな気持ちになりました(笑)」
ちなみに、太賀にはこんな青春の思い出が。
「高校は芸能コースがある学校で、友達とよく映像を撮っていたんです。自分たちでカメラを回して、コントとかちょっとした映画を作ってみんなで大笑いしながら見るみたいな(笑)。僕は俳優ではなく、監督とかカメラマンとか技術系を担当。“あそこで撮ろうか”ってロケハンもしてましたよ。青春というか、そういう何げない日常が楽しかったですね」
「高校生のときに友達6人で、杉並区から神奈川の三浦海岸まで自転車で行ったんですよ。朝5時に出発して暑い中を8時間くらいかけて。着いて海で泳ぎましたが、もうヘロヘロでした(笑)。1泊して夜はお店でみんなでカレーを食べたり。今はそんな体力と好奇心はないので無理ですが(笑)、いい思い出です!」