役作りのモデルと竹野内の誠実演技
竹野内は孝について、こうコメントしている。
「とにかく歯がゆくて情けなくて、みじめで、途中から、“お前、頑張れ”と応援したくなりました」
コミュニケーションが苦手で偏屈だけど、どこかユーモラスな孝の役作りには、手本にしたモデルがいる。
「(演出担当の)笠浦友愛監督です。独特の世界観を持ったアーティストなので、演出に悩んだときなどに、頭を抱えたり、ウロウロしたりします。竹野内さんは、目の前にいる笠浦監督の仕草を参考にしながら、孝の偏屈ぶりを表現しているんです(笑)。
竹野内さん自身は、非常にまじめな方です。初回に孝が詩を読みながら落涙するシーンがあったのですが、あれは本当に泣いています。涙が出るまで楽屋に入って集中していました。きちんと物語を理解しようとしているし、とても誠実です。役作り、セリフの言い回しについて細かく質問をなさるし、麻生さんとも演技について話し合いをしています。また、麻生さんが朗読講師という役にプレッシャーを感じていると、“大丈夫です。僕にとっての京子先生になっています”と、励ましたりして、気遣いもできる方ですね」
衝突していた孝と京子だが、次第にお互いを意識し始める。孝の変化、ふたりの大人のラブストーリーに加え、“灯火親”の不器用なメンバーが抱える心の闇まで、ひも解いていく。
「メールやSNSが普及していますが、人の言葉は温かいものです。恋愛でも、声の魅力は大切ですし、人と向き合って話す喜びを感じていただければ」
必見! おじさんファッション&メガネ
ヨレヨレのジャケットで、イケてないおじさんファッションの孝。モデル経験のある竹野内が着ても残念な感じの仕上がりに。
「数学者の孝の衣装で意見が割れたのは、メガネです。スタッフのなかには、竹野内さんらしさを残すためにかけないほうがいいという意見もあったのですが、演出家と竹野内さんご本人が“かける”とおっしゃるので、メガネの孝になりました」(磯CP)
べっ甲のふちで丸みのあるデザインのメガネのおかげで、コミカルな雰囲気に。役柄同様、イケてないスタイルの竹野内も必見!