今までにない自分を見つけ出せた、すごくいい環境だった
――『スカーレット・ピンパーネル』の稽古(けいこ)中のことで印象深いことは?
太田 けっこう大変だったね~、今思えば。演出家からダメ出しされてね。
植原 自分たちで「じゃあこうしよう」とか、ホントに詰めたよね。
太田 話したね。芝居の繋がりとか、そこにどう居ればいいかわからないっていうのがけっこうあったもんね。ピンパーネル団はそんなに台詞が多いわけでもなく、それぞれ10くらいだったので、そこをどうしたらいいのかとか。
植原 うん。ピリピリっていう感じではないんだけど、いい意味での緊張感はあったね。
――演出家のガブリエル・バリーさんはけっこう厳しい方だったんですか?
植原 怒ったりする厳しさはなかったです。もしかして、言いたいことはあるのに言ってないんじゃないかなというような。自分たちで解決してくれるほうがいいという厳しさを感じました。ピンパーネル団の僕らに満足していないんだなというのが伝わってくるんです。
太田 最初は、ぜんぜん認めてくれてないなって感じはありましたね。
――役者同士で話し合って解決するほうが大変そうですね。
植原 でもそういうことをできる現場ってなかなかないので、自分を引っ張り上げることができたというか。今までにない自分を見つけ出せた、すごくいい環境だったなと思いますね。貴重な経験ができた。
太田 うん。初心に戻れた感じもありましたし。みんな逃げずにひねくれずに、真摯な悩み方をしてたんで、すごくいいメンバーだったなって思いますね。
植原 そうだね。あと、もっくんはいい意味ですごく芝居にこだわります。
太田 え? うそ~! うそだ~。『スカピン』でそんなにこだわってた?
植原 いや、もっくん今日のためにいろいろ思い出してくれてないね。
太田 アハハハハハ! ヤバい。ダメ出しいただきました(笑)。
植原 いまのはジョークだけどさ(笑)。二人で稽古場の下手でスタンバイしてるときに、「でもさ、あそこの辻褄(つじつま)がさ」とか、二人でずっと言ってたじゃん。
太田 言ってた(笑)。「どう思う?」って。
植原 ほら~(笑)。
完璧な“できすぎちゃん”みたいな子は求めない
――恋愛観も伺いたいのですが。お互いの好きなタイプの女性は知ってます?
太田 タイプってある? もう外見のタイプってなくない?
植原 あんまり自立してなくていいというか。完成されてないほうがいいというか。言葉にするとちょっと恥ずかしいですけど(笑)。
太田 いいね、リアルだね。共感します。私もそういうタイプです。
植原 そう? よかった(笑)。何でもできなくていいです。
太田 僕も完璧な“できすぎちゃん”みたいな子は求めない。むしろダメなところが愛おしくなるぐらいがいい。
植原 あとは、僕が引っ張っていきますよと(笑)。
太田 そうだね(笑)。