周辺住民の訴えもあり、名古屋市は、11月の市議会にゴミ屋敷問題に関する条例案を提出した。
市役所担当者が再び話す。
「ゴミばかりではなく、資源、財産といった物品の堆積によって周辺に悪影響を与えている場合があります。例えば道路にはみ出ているとか、道路際に可燃物があり放火のおそれがあるとかですね。そういう状態を不良な状態と定義いたしまして行政で指導勧告命令、最終的には行政代執行ができるという議案です」
条例の審議について、前出・町内会関係者は、
「進んだといえば進んだ。でも行政代執行が行われたとして、私有地内は何もできないと思うよ。財産権もあるわけだから。家の中は山積みのまんまで、前の道路がきれいになるくらいじゃない」
と成り行きに過度の期待はしない。
そもそもどうやって生計を立てているのか?
「無職なのに生活ができているのは、お母さんから仕送りをもらっているから。もとは材木屋の息子なんですよ。異母兄がいるんだけど、その子は賢くてね。お父さんが亡くなったあとはその長男が跡を継いだんですよ。でも働かない弟がいる。要は邪魔なわけでしょ。それで財産分けをして、あの立派な家が建ったんですよ」(同)
と家族内でも居場所はなかったようだ。