女たちとの出会いが西郷の人生を変えていく
男だけではなく、女にもめっぽうモテたという西郷。支えていく女性たちにも注目したい。
「奄美の島に流されたときに出会う二階堂ふみさんが演じる愛加那。黒木華さん演じる、3番目の奥さんになる糸。そして篤姫役の北川景子さん。みなさん、本当に魅力的な女性を演じていただいています」(櫻井CP)
奄美で出会う愛加那は、西郷の人生を変えるほどの恋愛相手ということで、ドラマの大きな見どころになる。物語は序盤の立志青春編、奄美に流され人としての生き方に目覚める“島編”。倒幕へと突き進む革命編、そして1度、薩摩に隠居してからクライマックスとなる西南の役編という、大まかに4つの章立てで、全47回となっている(さらに歴史的背景を解説した特別番組を3回放送)。
「前半の西郷は弱くて脆(もろ)い人間です。でも、正義感や弱い者の目線に立つというところはブレていません。西郷の成長を、1年を通して、ぜひ見守っていただきたい」(鈴木)
語りは西郷役の“大先輩”、西田敏行
「以前、西田敏行さんが演じられていた西郷隆盛に強烈な印象があるんですけど、そんな西田さんが語りを担当されると聞いてうれしかったです」
と鈴木亮平は西田について話す。’90年に放送された大河ドラマ『翔ぶが如く』。西郷隆盛を西田、大久保利通を鹿賀丈史が演じた作品。鹿賀は今回、島津斉興役で『西郷どん』に出演。28年ぶりの“共演”となった。
「歴代の西郷さんをひととおり見ましたが、みなさんが持つ“西郷像”を西田さんは全部やられていたと思います」
西田は当時、肖像画でよく見られる西郷に近づこうとメイクや表情はもちろん、体重も増やし撮影に臨んだという。
「西田さんを見て、撮影前にプレッシャーを感じたのは正直なところあります。でも僕はそれ以上を目指そう、と考えるくらいがちょうどいいのかなと」
制作側の櫻井CPも、『翔ぶが如く』の存在は大きかったようで、
「あそこで描かれている西郷と大久保の友情は本当に魅力的です。当時の空気感の中で撮影されているもので、手を出してはいけない企画に手を出してしまったかとも思いましたけど(笑)」
そんなプレッシャーも、できあがった作品を見たときに消えたと鈴木は語る。
「目標でもライバルでもある西田さんですが、実際に声を聞かせていただくと、西郷さんの声ではなく、西田さんご自身が吉之助を温かく見守ってくださる感覚を覚えて、本当に感動しました」