誰もが知ってる日本の偉人である西郷隆盛。ドラマや映画など、歴史作品の常連の人物ではあったものの、意外なことに大河ドラマでの主役は今回が初めて。それを記念して、歴代の「西郷隆盛俳優」を、コラムニストで脚本家のエスムラルダさんにズバッと論評していただきました。また、『西郷どん』で、まだ発表されていない登場人物キャストも大胆予想!

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「結果的に堤真一辞退は◎。鈴木亮平なら古臭くて新しい西郷像を作りそう!」(エスムラルダさん)

 西郷さんを演じてきた方はたくさんいますが、私的に100点だったのは『JIN-仁-』で演じた藤本隆宏さん。当時、新宿2丁目では「もっと西郷パートを増やせ!」って暴動寸前だったくらいです(笑)。

藤本隆宏
藤本隆宏

 まじめな話、上野の銅像の影響もあって、西郷さんほどイメージが定着している歴史上の人物もいないのでは? 「ずんぐりむっくり」「カリスマ性」「浴衣が似合いそう」などなど、私たちが西郷さんに抱くイメージって多かれ少なかれ共通しているはず。実際、これまで演じてきた俳優さんを見ると、そういったイメージに合致する人が選ばれている。ある意味では、イメージが固定していて冒険できない“キャスティング泣かせ”の偉人かもしれないですね。

 でも、時代が下るにしたがって先のイメージ……言わば昭和感のある雰囲気を持つ俳優が減ってきて、カリスマ性のある上司としての西郷さん=佐藤浩市吉川晃司といった人選になっていったように思います。だからこそ、近年でも屈指の昭和感を誇る鈴木亮平が演じるって逆に新鮮だし楽しみですね。

 しかも! 原作はあの林真理子先生。女性の感情の交錯を描かせたら天下一品の真理子先生が、鈴木亮平と渡辺謙(斉彬)瑛太(大久保利通)といった師弟関係や友情などのホモソーシャルをどう描くのか興味津々。そういう意味でも、ゲイの間でも人気の高い鈴木亮平が、どんな「男同士の愛」を演じてくれるのか、期待が高まります。