<もう“少年”ではいられないーー。>
1月23日発売の『イブニング』(講談社)で、『金田一少年の事件簿』の続編にあたる、『金田一37歳の事件簿』の連載がスタートした。
タイトル通り、37歳になった金田一一(きんだいちはじめ)が登場するが、大人になった“はじめちゃん”は、探偵として活躍しているわけでなく、PR会社に勤めるさえない独身サラリーマン。第1話ではヒロインであり、金田一の幼馴染でもある美雪の顔は登場していないが、連絡は取り合っているよう。
仕事で担当することになったリゾートホテルのオープニングイベント。その場所が、かつて3回殺人事件の舞台となったオペラ座館のある歌島ということで、仰天する金田一。まだ事件は発生していないが、金田一の心の叫びが響く。
「もう謎は解きたくないんだあああ〜〜!!」
「かつての読者に向け、人気作の続編が連載されるのは、特に珍しいケースではないので、その流れのひとつであることは間違いないですね」
と、ある漫画関係者は言う。
「最初から連載を立ち上げるよりも、一定数のファンが見込めるぶん、予算的にも見通しが立ちやすく、連載する雑誌の目玉にもしやすい」
と、出版社側のメリットをあげる。作者側については、
「安易な続編でなく新作のヒットを出したいという作家性を持つ人はもちろん多い。だけど、生みの苦しみが少なく、やはりある程度のヒットは保証されるため、楽な部分もあります。たとえば『キン肉マン』の続編などは成功例と言っていいと思うのですが、これは、編集者が作品の大ファンで、ファンの喜ぶ展開を一緒に考えられたからだと聞きます」(前出・漫画関係者)
堂本剛は現在38歳
今回の金田一続編、まだ第1話が始まったばかりであるが、早くも映像化に期待するファンも多い。
「それは、タイトルの“37歳”というところに期待する部分は大きい気がします」
と、あるテレビ誌記者は言う。
「金田一少年は、これまで4回ジャニーズタレントを主役にドラマ化されています。4代目の山田涼介は、原作者の希望で実現したと言われていて、“少年版”の金田一はやりきった感もあるかもしれません。
それでもやはり初代の堂本剛版のインパクトと人気は凄かった。37歳という年齢に、どうしても堂本剛を重ね合わせて、“もしかしたら?”という期待はしてしまいますよね。ちょうど堂本剛も現在、金田一と同じく長髪ですし(笑)」(同テレビ誌記者)
堂本剛の実年齢は、現在38歳。確かに今回の金田一と1歳違いで同年代の設定ではある。現在、突発性難聴で、音楽活動に関しては変則的なスタイルでの活動であるが、演技活動への影響はないだろうか。
「昨年大ヒットした映画『銀魂』の続編が決定していますので、これに出演することは間違いないでしょう。爆音とは関係ないドラマや映画への出演に、突発性難聴の影響はないでしょう。
昨年は、KinKi Kidsのデビュー20周年に合わせた形で、『ぼくらの勇気 未満都市』の20年後を描くスペシャルドラマも放送され、映像の続編への出演にも抵抗はあまりない気がします。『未満都市』も『金田一』と同じ日テレ作品ですから、今回の続編漫画も、メディアミックスを念頭に置いていたりしないかと、考えてしまいます」(前出・テレビ誌記者)
連載では、まだ事件は発生していないが、作中にはしっかり《歌島リゾート殺人事件編》とうたわれている。久しぶりの決めゼリフ「じっちゃんの名にかけて」の登場とともに、映像化もうっすらと期待して待ちたい。
<取材・文/渋谷恭太郎>