先ほどの『方言が難しい都道府県ランキング』で、堂々の1位に輝いたのは青森県だ。
「どんだば!(びっくりした!)」と言われても、聞きなれない人にはピンとこないが、青森県警生活安全企画課の担当者は、
「方言での対策は、当県では取っておりません」
とのこと。それでも、振り込め詐欺対策専用電話の設置は効果を発揮していると、同県警はみている。
「2016年の10月から運用しています。電話がかかってきたときに、呼び出し音が鳴る前に“この電話の内容は録音されます”という案内が相手に流れます。それで切ってくれればよしですね。
大変だぁ〜ボタンというものもついていて、通話中に怪しいと感じたときに押せば、登録先に“緊急事態発生”という音声を流せます。4件まで登録できて、近所の人を登録しておけば、直接、家に駆けつけてくれたりしますよね」(青森県警担当者)
情報サイト『ALL About』の防犯ガイドで、安全生活アドバイザーを務める佐伯幸子さんは、
「方言も有効だと思いますが、そもそも電話に出なければ、被害に遭わずにすむんです」
と、狙われる高齢者に自覚を促す。
「ご高齢の方は、電話がかかってくるとうれしいんですよ。ただし、電話機は被害の入り口です。常時、留守電にして相手を確認してから出る。または“迷惑電話フィルタ”“迷惑電話防止機能つき電話機”を設置すれば、不審な番号からの電話は呼び出し音すら鳴らないので安心です」
被害額は'14年にナント560億円を記録!
警察庁のデータによれば、特殊詐欺(不特定の相手に電話やFAX、メールを使って行う詐欺。振り込め詐欺と振り込め類似詐欺に分かれる)の被害件数は、'08年が約2万件と最も多く、被害額は'14年が約560億円と最も多い。
「これは特殊詐欺の手口と密接に関係しておりまして」
と、警察庁特殊詐欺対策室の担当者が明かす。
「'14年は1件当たりの被害単価が高かった。宅配業者を利用して送金させる送付型が多かったことが原因だと考えています。金融機関の振り込みでは振込金額の上限がありますが、宅配便で送る場合、制限はなく高額な被害が発生する可能性は高い」
その後、宅配業者、コンビニエンスストア、郵便局と協力態勢を敷いた結果、送付型の詐欺は減少したという。