絵本・児童書のコーナーには、靴を脱いで上がれるところがあり、かまくらのように中に入って1人で本を読める『ころん』『ごろん』もある。館内では乳幼児向けのお話会を毎日開催し、年齢別のお話会も定期的に開催。また、子どもが知りたいことを書いてポストに入れると、館長自らが返事を書いて掲示板に貼り出している。
「本をあまり読まないという子がいてもいい。でも、その子が読みたいと思ったときに図書館が役に立つことを知ってほしい」
と吉成館長は言う。昨年策定された第2次『岐阜市子どもの読書活動推進計画』にも、何冊読むべきという数値目標を入れなかった。
翌朝、ふだんは館内にある、きららという愛称の『わんこカート』が車に積み込まれた。後ろに本が収納できる。このカートとともに、館長と司書が市内の小学校を訪れるのだ。この日は加納西小学校で、1〜3年生に紙芝居や絵本の読み聞かせを行った。吉成館長が絵本を読むと、「カンチョー!」と声援が飛ぶ。その場にいたほとんど全員がメディコスを訪れたことがあるという。
3年生の児童に話を聞くと、「行くと調べものをしたり、借りたい本を探したりします」と、すでにヘビーユーザーのよう。
小学校には『本のお宝帳』を配布、達成冊数の段階により称号を授与している。これらの事業は図書館の『学校連携室』が中心となって行っている。図書館から学校に出向くだけでなく、学校図書館の活動を図書館にフィードバックしてもらい、ともに子どもの読書活動を盛んにしていくことを目指しているという。
『子ども司書』の養成などほかにもユニークな取り組みが多く、地元の図書館がこうだったらいいのにと思ってしまう、そんな図書館だ。