読み聞かせで大爆笑『えがないえほん』
昨年11月の発売以来、Amazonの絵本部門で1位となり、またたく間に17万部を超えたベストセラーがある。それが『えがないえほん』だ。
ミステリーやSFを得意とする早川書房が同社初の絵本として発売したもので、タイトルのとおり、絵はまったくない。そのかわりに「ばふっ」「ぶりぶりぶ〜!」など、カラフルで大きな文字が目に飛び込んでくる。
「もともとはアメリカのB・J・ノバクさんというコメディアンが書いた本で、向こうでは“読み聞かせのバイブル”と呼ばれています」
そう教えてくれたのは訳者の大友剛(たけし)さん。翻訳家であり、同時にミュージシャンかつ手品師でもある大友さんは、年間250本以上の読み聞かせを行っている。オノマトペ(擬音語や擬態語)が多い『えがないえほん』は、子どもの反応を見ながら翻訳したそうだ。
取材を申し込むと、ちょうど読み聞かせのイベントがあるというので、山梨県甲府市の『朗月堂書店』を訪ねた。
読み聞かせが始まると、すぐに子どもたちの笑い声が響く。子どもたちは、ページが変わるたびに大喜びで、「ウチの子があんなに笑うのは見たことない」と驚く参加者も。