勘違いしてしまった小泉今日子
たとえお互い好きになってしまっていたとしても、あくまでいまの小泉さんの立ち位置は“愛人”なわけ。立場上、偉そうにしてはいけないの。本来は日陰の身であるはずなのに、スポットライトを浴びる場で取材陣に対して「自分の罪は自分で背負っていきます」と言われても、少しもかっこ良くないですよね。
それが罪の背負い方なの? って思ってしまう。“罪を背負う”という意味をはき違えてしまっているよね。これは豊原さんの奥さんへの単なる宣戦布告と思われても仕方ないですよ。本当は一生墓場まで持って行かなきゃならない話、内輪で済ませればいい話なんですから。
では、なぜ今回彼女がこのような言動をとってしまったかというと、おそらく、自分は“どんなときも女性の代表”、“新しい女性のイメージを発信している存在”と勘違いしてしまっているからじゃないのかなと思うんです。化粧品会社の顔を長くやっていたこともあって、少なからず世間にも、女性の先頭を行く存在なんだというイメージがあったから。
これは斉藤由貴さんにも言える事ですが、かつて芸能人は“別の世界の人”で、世間の反応をダイレクトに知る方法もなく、何をやっても放置されていた環境にいたんです。そのなかで勘違いしてしまったんでしょうね。
でも、時代は変わりました。いまは芸能人もモラルが求められます。SNSをはじめとして、おかしいなと思ったら個人が発信出来るツールがありますから。バリアがなくなって、容赦なく世間のバッシングが来る。何となく許される時代ではないわけです。
そんななかでいまだに“小泉今日子”である自分が言えば何でも許されると思い込んでいるのは、それこそ“明後日”の方向を向いてしまっている。勘違いも甚だしいですよ。同時に、こういった非常識なことを受け止めてしまう世間でなくて良かったと安心しました。
<構成・文/岸沙織>