自動販売機に防犯カメラの実証実験
'10年には全国ワースト1位だった千葉県。'07年の2733件から'17年は213件と認知件数を大幅に減少させた。
「(森田健作)知事に広告塔になっていただき、県民の方々へ『ちばカエル作戦』という啓蒙活動を徹底しました」
と千葉県警生活安全部総務課の中村弘課長代理。そのポイントは4点で、1バッグはたすきにかけカエル、2手荷物は歩道側にもちカエル、3バイクの音にはふりカエル、4自転車のカゴにはカバーをつけカエル。
被害者にならないための心構えを県民に訴えてきたが、さらに前出・中村課長代理は、
「今年は県警が直接管理する防犯カメラを設置する予定です。繁華街や駅周辺の幹線道路などひったくりを含む街頭犯罪の抑止効果を狙いたい」
以前は、事件の証拠を確保する意味合いの強かった防犯カメラ。それを前面に出し犯罪防止に役立てることを、前出・出口教授は、警視庁の有識者会議で提案したという。
「足立区北千住の商店街は、防犯カメラが多数設置されている。街灯などに“防犯カメラ作動中”と書かれています。
今は防犯カメラをどう取りつけるかが大切です。目に見えるように設置することで、ここで犯行に及ぶとまずいと犯罪者に思わせることができる。犯罪者が嫌がることを行えば犯罪は防げる。それこそ私が提唱する『攻める防犯』なのです」
足立区では、自動販売機に防犯カメラを設置する実証実験を開始した。犯罪を減らす試みは各自治体も力を入れる。
防犯カメラ以外にも、犯罪行為を思いとどまらせることはできると出口教授。
「マナー運動のあいさつでも、犯罪者から見れば、街の人間に見られたと思う。防犯ボランティアが立っているだけでも、十分に効果があります」
過去の犯罪発生データから、ひったくりの発生を予想している警察がある。
京都府警は'16年10月から予想システムを導入した。
「過去のデータをもとに次に発生する可能性の高い地域が地図上に示されます。その地域では、警察官が巡回を強化するなどしています」
と京都府警刑事部・捜査支援分析センターの岡本博昭所長補佐。