送信1回に1500円かかる
顔を会わせることのないサイトの向こう側にいるのは、「余命いくばくもない占い師K(仮名)」という触れ込み。
「鑑定が終わったらKが自分の守護霊を私に譲るといってくれました。その力をつけるため、先生から届くメールの指示を実行し、文面の最後に書かれている呪文のような言葉をメールで先生に送ります。送信に1回1500円かかり、これまで20万円以上使っていると思います」(池田さん)
送信後、続けざまに占い師からは利用者に期待を持たせるような新たな文面と別の工程が送られてくる。その繰り返しだ。
「どうにか工程を進めて金運をアップさせたかったので夫のクレジットカードを使ったり、息子や友人からもお金を借りました。Kのいうとおりにすれば、幸せになれる、金銭的に豊かな生活ができると信じ込まされていました」
と池田さんは振り返る。
池田さんが「お金が厳しいです」というと占い師は「幸運がすぐそこに来ているんです」と引きとめる。ネットの口コミサイトの書き込み「余命半年の占い師を紹介された」を見つけ、初めて、
「だまされたと思いました。でも、もし、最後まで工程を続けたとしたら、何か展開があるかもしれません……」
と未練が断ち切れない。
サクラサイト詐欺やマインドコントロールに詳しい立正大学の西田公昭教授は、
「だます側は、完璧に占い師に化けてます。アドバイスどおりになったら“ほら当たったでしょう”、ならなければ“それはあなたのやり方やお金が足りない”と言われ、鵜呑みにする人は少なくない」
と占いサイトのぬかるみにはまるタイプと占い師の手口を明かす。
「利用者はサイトをやめたらよくないことが起こるのでは、という不安と恐怖を持っています。占いには非科学的で証明できない恐怖があるのです。これを振り払うのは本人だけでは、厳しい。“そのサイトはおかしい”と言ってくれる、まったく占いを信じない人の支えが必要です」
お金を使わせ「全体的に見ればだましているようにも見えるが、利用している間は安心感を得ることもあり、詐欺という証拠をつかむのは非常に難しい」(前出・国民生活センター)という占いサイト。