それは最悪の養育環境だと、前出・山脇さんが指摘する。
「無職であるということは、リスクを高めてしまうんです。ずっと一緒にいるじゃないですか。赤ちゃんはうるさいですから、働いている人でも夜泣きで夫婦がもめたりする。うるさくてカーッとなってしまうケースもありますから」
事件現場となるそのマンションは、JR高崎駅から車で約10分の場所に位置し、管理費込みの家賃は月約7万円。
「ここのマンションは、ペット可なので、建物自体が丈夫な造りで防音がちゃんとしている。犬の鳴き声も聞こえてきませんし、赤ちゃんの泣き声も聞いたことはないですね。隣の人とすれ違ってもあいさつとかもしないです。引っ越しのあいさつなんて、まったくありません」
と、同じマンションの住人が隣近所との薄い関係を話す。
「お母さんは29歳の年相応の女性という感じ。男の人は見たことないですね。女の人がひとりで住んでいるのかなと思いましたけど、ベランダにたくさんの洗濯物が干してあったので、もしかしたら家族が住んでいるのかとは思いましたけど」(同じ住人)
事件後は、洗濯物が干されることもなく、電気の明かりがもれることもなく、内縁の妻がそこにいる気配はなし。ひっそりと姿を消した……。
出産前からお金の心配をし、内縁の夫は無職という状況で、世間が浮き立つ正月直前に退院する母子の不安。
「本当に生活が困窮してしまえば、生活保護とかありますが、まだそこまでの状況ではなかったということですね」
と市の担当者は親子3人の暮らしぶりを説明。母親は介護職で、育休中だったという。