「会社概要など面倒で読まないかもしれませんが、ここはきちんと確認しましょう。企業名、本社所在地、電話番号、代表者名など特定商取引法で定められた表示があるか。そして国税庁ホームページ(HP)の企業データベースや地図サイトで検索をかけます。本当にある会社なら、登録があります。ただ、他社名を勝手に使っている可能性もあるので、電話をしてみましょう。日替わりで企業名を変えている偽サイトもありますので数日、様子を見るのも手です」

 と前出・警察庁担当者。

 悪質サイト名やURLをHPで公開しているのは、東京・江戸川区消費者センターだ。同センターの前所長・田中弘毅さんは「具体的に示さないと、被害がなくならないからです」と話す。

 これまで業者からのクレームは1件もないという。

 注意をしていても引っかかってしまった場合、その対応策は次のように、と前出・警察庁担当者が続ける。

「メールのやりとりや送り主の情報、請求書、HPの情報を持って、国民生活センターや警察に行きましょう。ネットで買い物をした場合、商品が届くまでは、控えやメールは消さないようにしてください。ダマされたと気づくのは、しばらくたってからです。そのころには、2度とそのサイトを探せなくなる可能性があります」

 ただ、返金に関しては、「無理ですね」と、インターネット犯罪に詳しい「ALG&アソシエイツ」東京本部の山室裕幸弁護士は断言する。民事訴訟を起こそうにも、「被害額が少ないため、必要な弁護士費用のほうが高くつく。相手の特定が困難ということもあります」(同)という。

 ひとつ有効な手立ては、

「振り込め詐欺などの被害者を救済するための振り込め詐欺救済法を利用できる可能性が高い。加害者の口座を凍結してお金を取り戻せるのですが、相手が口座から下ろしてしまったら終わりなので、早く弁護士や警察に相談してください」(同)とのこと。

 前出・警察庁担当者は、自己防衛の大切さを呼びかける。

「消費者側が悪質サイトを見分け、使わないことで、犯人は儲からないからやめようとなる。そうでないと、被害はなかなかなくなりません」