「キャプテンの長谷部誠は、何度も協会にハリルの解任を進言していたようです。しっかり者の長谷部が動いていたのだから、余程でしょう」(前出の夕刊紙記者)

 このように、ハリル解任は、日本サッカーにとって“吉”という見方が強い。だが、これですべてがうまく進むとも言えないのだ。

「正直、今の日本がW杯で勝てるとは思えない。1次リーグで、コロンビア、セネガル、ポーランドという強豪と当たります。ハリルが辞めたところで、今の日本選手の実力では、とうてい太刀打ちできません」(前出のスポーツ紙記者)

後任は大丈夫なのか

 後任の西野監督への疑問の声も。

「西野監督といえば、ガンバ大阪の黄金時代を築き上げた名監督ですが、あれは当時、遠藤保仁という天才が全盛期で活躍したおかげ。その後、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスの監督に就任したものの、結果が残せずに解任されているんです」(前同)

 サッカー通の間では、「西野よりも、手倉森誠氏が良かった」との意見も多かったが、同氏は西野体制下で森保一氏とともにコーチを務めることが発表された。

「W杯まで残り2か月という期間を考えると、一番大事なのは、選手のモチベーションを上げること。その点、手倉森氏は“モチベーター”と呼ばれるほど、選手をヤル気にさせるのがうまい。あの本田でさえも、彼のことは“兄貴”と呼ぶほど慕っています」(同)

 前出の戸塚氏も言う。

「個人的には監督は手倉森が良かったと思いますが、西野氏も技術委員長としてハリルジャパンのチームに帯同していました。

 ハリルが選手に言って、嫌がられていたこと、うまくいかなかったことを反面教師として見ているのは大きい。これは“内部昇格”で監督に就任した、最大のメリットの一つといえます

 本田の言う通り、今回の解任は決して“遅すぎることはない”はず。ロシアW杯で日本中を熱くさせる試合を期待したい。