#MeToo運動とは、SNSを通してセクシャルハラスメントの被害を告白、共有する運動だ。女性のみの運動だとは言われていない。
というか、そもそもそこで男女を分けてしまったら、それこそ性差別的になってしまう。
こう書くと、
「実際問題として男性がセクハラのターゲットになるケースは極めて少ない。セクハラを話題にする時は、女性にしぼるべきだろう」
と反論を受けるかもしれない。
男性がセクハラを受けるケースはないのか、聞き込み調査をしてみた。
男性から男性に対するセクハラ
まずは、会社内、店舗内で上司、先輩男性から部下、後輩男性にセクハラするケースを聞いた。
「ことあるごとに女性経験がないことをからかわれます。女性の前で『こいつ童貞だから』とわざわざ言ったり、僕が何か意見するたびに『童貞っぽい意見だな』などと馬鹿にされることがしばしばあります」(30代男性)
性行為の経験に絡んでマウンティングを取ろうとする男性は少なくないようだ。特に、性経験がない人はイジメられる。
またまったく逆のセクハラをされた人もいた。
「僕は若い頃、スカウトマンをしていたんです。女性に声をかけて風俗店に入店させる仕事です。きっぱりと足を洗って、まったく違う会社に入社したのですが、過去を知っている上司が『こいつは女の敵だから』などと言いふらし、仕事が非常にやりづらかったですね。結局会社は退社しました」(30代男性)
これに、似たようなセクハラでは、男性器にかかわることでからかわれたという意見も多かった。女性の前でそれを言われたという人も多い。言われている本人は傷ついていないふりをする場合が多いが(むしろ楽しそうにする人もいる)、内心は非常に不愉快な思いをしているケースも多いようだ。
また以下のようなセクハラも耳にした。
「当時僕は大手製造業の会社に勤めていたのですが、昼休みや仕事後に社員同士で連れ立って風俗に行くことが当たり前でした。ことあるごとに誘われたのですが、いずれも断っていると仲間はずれにされるようになりました。『あいつはゲイだから』と陰口を叩かれました」(40代男性)