イベント期間中は各フロアでも関連した催しを行うことで、全館でその国の雰囲気を演出している。まず、9階でイベントを楽しみ、下のフロアで婦人服や化粧品などを購入してもらう狙いだ。この海外フェアを含め、全館で年間5000回のイベント開催が目標だという。
若いママ向けの企画にも意欲的
また、百貨店離れが指摘されている20~30代の若いママをターゲットに情報を発信、他社と差別化を図っている。
11階のベビー・子ども服売り場では、妊娠中や子育ての悩みを解決する『子育てライブスクール』を1日に数回、無料で開催。抱っこひもやベビーカーの選び方・使い方など、初心者ママに向けた内容で、出産や育児に不安を持つ母親の気持ちに寄り添う。
さらに、人気雑誌のモデルを起用したり、“うめはんママ”と呼ばれる一般公募から選ばれた母親たちの売り場体験ブログなどを通じて、百貨店を身近に感じてもらう試みも。そうした努力により’14 年からは、子ども服売り場の売り上げが前年より10%ずつ上昇しているという。
加えて今年3月には売り場を大幅にリニューアル。話題性の高い国内外のブランドを集めた売り場づくりが好評だ。
「リニューアル後もお客様に飽きられることなく、売り上げは伸び続けています。今後も顧客の需要に対応するだけでなく、欲望を刺激していくことで足を運んでもらえる仕掛けをつくっていけたらと思います」(前出・山元さん)
《取材・文/小泉カツミ、藤森優香》