コーヒーを飲むと肝臓がんのリスクが減る?

 コンビニに缶コーヒー、スターバックスなどのチェーン系カフェとブームが止まらないコーヒー。飲んでいると、こんないいことが。医師の稲島司先生によると、

「ホントです。世界中で行われた研究を解析した結果、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、肝臓がんにかかるリスクが40%も少なかったそうです」

 コーヒーに含まれるクロロゲン酸が有効だといわれているが、正確なメカニズムはわかっていない。

がん予防に関する限りコーヒーはいいことずくめだと思っています。また、がんだけでなく、糖尿病や呼吸器疾患のリスクを下げるというデータもあります」(稲島先生、以下同)

 でも、カフェインのとりすぎは身体に悪いんじゃ?

「予防や治療のためにまで飲む必要はありません。なお、この研究では、1日3~4杯が有効としています。飲むときは、砂糖やコーヒーフレッシュの入れすぎに注意しましょう」

敵に塩を送られた武田信玄は胃がんになった?

「これはホントです。戦国武将・武田信玄の死因は、当時の記録から胃がんではないかと考えられています」

 と稲島先生。“敵に塩を送る”とは、敵対関係にある相手が苦しんでいるとき、弱みにつけこまないで逆に苦境から救うという意味の故事成語。塩不足に悩む信玄のもとへ、敵将・上杉謙信が塩を送った心温まるエピソードに基づく。

「健康を考えるとオススメしません」

 塩のとりすぎが高血圧や動脈硬化の原因となるのは、前述のとおり。加えて、胃がんにもなりやすい。

 信玄も、この事実を知っていれば……!!

「実は、送った側の上杉謙信は、脳卒中で亡くなったといわれています。こちらも、もしかして塩分のとりすぎかもしれませんね(笑)」


〈お話を伺ったのはこの3人〉
稲島 司先生

総合内科専門医、循環器専門医。地域医療連携にも取り組む。大量の文献を、ユーモアを交えながら紹介していく講演が好評。『世界の研究者が警鐘を鳴らす「健康に良い」はウソだらけ』(新星出版社)ほか著書多数

植田美津恵先生
医学博士、医学ジャーナリスト。愛知医科大学客員教授、東京通信大学准教授。各大学にて教壇に立つほか、医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動を行う。近著に『忍者ダイエット』(サンドランチ)

小川 徹先生
皮膚科専門医。早稲田大学招聘研究員。元慶應義塾大学研究員。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校、英ロンドン大学セントトーマス病院などで国際的に活躍中。医学博士のほかMBA、公共政策の修士号を持つ