ロケが行われたのはスマトラ島北端に位置するバンダ・アチェ。海外を渡り歩いてきたディーンでさえも“特殊な場所”と語る。
「30年くらい内戦が続いていて、そんな中(スマトラ島沖地震で)大きな津波に襲われて。自然災害でたくさんの命が失われたけど、それがきっかけで人間同士、傷つけ合うことが終わったと解釈している人たちも多い。それは僕の中にはない感覚でした。傷ついている人が多いはずなのに、彼らの明るさ、優しさに、未来へ対する希望を感じましたね」
そのアチェには映画館はおろか、そもそも映画を撮るシステムがなかったそうで、
「そこで日本人が映画を撮ろうと思った“狂気”に共鳴して、参加を決めたんです」
ちなみに撮影中、家族には?
「会いましたよ。アチェにも来てくれました。撮影がなかった日に、ジャカルタに戻って家族と一緒に過ごしました」
と、うれしそうに振り返る。そして最後に、“これだけは言っておきたい!”ということが。
「アチェのコーヒー、最高です。実は僕それまでコーヒーが飲めなかったんですけど、1か月もいたらハマってしまって。コーヒーのおいしさに目覚めました。ドラマの現場にも差し入れで持っていって、みんなからも好評でした。……なんだか僕、魅力ばかり伝えて観光局の人みたいですね(笑)」
隙あらば……!
「ありがたいことに忙しくさせてもらっていて、今、運動できる時間がすごく貴重なんです。ストレス発散にも身体を整えるにも、僕にとってはやっぱり身体を動かすことが大事。だから“いつ運動ができるかな”って、いつも隙をうかがってます(笑)」
<映画情報>
映画『海を駆ける』5月26日(土)全国ロードショー
海岸で倒れている謎の男(ディーン・フジオカ)が発見された。バンダ・アチェに住む貴子(鶴田真由)とその息子タカシ(太賀)に“ラウ”と名付けられた彼の周りでは、次第に奇妙な出来事が起こりはじめ――。キャストの見事なインドネシア語にも注目。