山口達也の“強制わいせつ”事件や、度重なった訃報の影に隠れてしまった感があるが、渡辺謙と南果歩の離婚が成立した。
昨年3月に『週刊文春』に、ジュエリーデザイナーとの不倫を報じられた渡辺。当時、南は乳がんの治療中であったため、リアル“ゲス不倫”とまで非難された。
「南さんの怒りは、かなりのものだったようで、離婚に関しては一切の迷いもなかったそうです」(芸能プロ関係者)
渡辺の方も離婚に応じる覚悟はできていたようだが、そこに立ちはだかったのが、NHK大河ドラマ『西郷どん』。
報道が出たのが、まだ、撮影前だったので、降板になるのでは、という話まで出ていた。
「そのまま出演したら、不倫騒動が影響して、視聴率が上がらないのでは、と懸念されていました。大河のファンは、不倫スキャンダルに敏感な、中高年層が多いですからね。それだったら、いっそのこと、放送前に離婚が成立した方が、けじめがついて、謙さんもドラマに集中できるのではないかと思われていました。しかし、話し合いが難航、というか撮影に入ってしまったので、なかなか話し合う時間が取れなかったみたいです」(テレビ局関係者)
放送前まで、渡辺の不倫に関して、世間の反応はふたつに分かれていた。
「男性は、無関心か“それくらい、どうってことないんじゃないの”。あるいは意味不明な(笑)“謙さんだったらいいんじゃない”なんて意見が多かったですね。ワイドショーに出演する男性コメンテーターたちもおおむね擁護派でした。反対に、女性は厳しい見方をしていることが多かったようですね」(前出・テレビ局関係者)
だが、ドラマが始まってみると、それらの意見は一変した。それほど、渡辺の演技は大河ファンの心を捉えたのだった。
「彼は今まで大河や民放の時代劇で、いろいろと武将を演じていますが、今回の『島津斉彬』はベストだと思います。円熟味を増した『渡辺謙』だからこそできた役柄なのでしょう。斉彬=渡辺謙というように、ファンの心にいつまでも残るでしょうね」(テレビ誌ライター)
結果、渡辺に対する批判は嘘のように消えていった。
「そもそも芸能人の不倫騒動なんて、当事者以外の一般の人にはかかわりないことなので、最初は、いろいろ言ってても、すぐに飽きちゃいますから。それに、謙さんのあの名演技を見たら、そんなことはどうでもよくなっちゃいますよ。俳優にとって離婚がダメージにならないことは、過去の例を見ても明らかですし」(ワイドショースタッフ)
大河出演も終えて、自身も仕事で日本を離れるタイミングでの離婚発表だったのは言うまでもないが、ハリウッドでは結婚・離婚は日常茶飯事。1回、2回どころか、4回、5回という強者(つわもの)名優もいる。
これで、渡辺謙も名実ともに“ハリウッドスター”になった⁉
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。